キリスト教と仏教の、いくつかの共通点

エリファス1810

キリスト教と仏教の、いくつかの共通点

 マタイによる福音22章30節に、復活の時に復活する人は「天使のように成る」と記されている。

 「復活の時」に復活する人は、正しい人である。

 天使は、神の聖霊である。

 神の聖霊は、神の分身である。

 そのため、マタイによる福音22章30節は、「正しい人は、神の分身のように成る」と解釈できる。

 「正しい人は、神の分身のように成る」という言い方は曖昧な表現に思われるかもしれないが、正しい人が神と一体化した時に神の分身の位を与えられても創世の前からの原初からの神の分身とは異なるので、実は厳密な正確な表現なのである。

 そして、神の分身のように成った正しい者が仏である。

 このため、人に成った神イエスによるキリスト教と、神の分身のように成った人である釈迦牟尼仏による仏教は共通点が有るはずである。

 いくつか挙げてみる。



 【共通点①】


 説明は省略するが、無、くう、虚空は、虚無ではなく、普遍性が有り、例えば「あるものが無い」とか「別のものが無い」と否定として無数の存在に対応する事ができる。

 「カトリック」は「普遍の」を意味する。

 「仏教」は「空門くうもん」とも呼ばれる。



 【共通点②】


 中世まで神の聖霊である天使は男性として描かれた。

 そのため、マタイによる福音28章19節の「父である神、息子であるイエス、神の聖霊」という神の「三位一体」は全て男性である。

 このため、創世した神は男性である事を表すために、「法華経」の「提婆達多品」で娑竭羅龍王女が、わざわざ男性に変身してから仏に成ったのである。



 【共通点③】


 マタイによる福音28章19節の「父である神、息子であるイエス、神の聖霊」という神の「三位一体」で、神は唯一であるし、「ロゴス」である「知恵」であるイエスは唯一であるし、神の聖霊である天使は多数である。

 諸説あるが、仏教の「三身」のうち、「法身」は真言宗では諸仏の実体である大日如来であり唯一であるし、「報身」は智慧であり唯一であるし、「応身」は多数である。

 「応身」は「化身」とも呼ばれる。



 【共通点④】


 ヨハネによる福音10章3節に「羊は声を聞き分ける」と記されている。

 「法華経」の「譬喩品」で「声聞乗」は「羊車」に例えられている。



 【共通点⑤】


 ヨハネによる福音14章6節でイエスは「私は道であり真理である」と話している。

 ヨハネによる福音1章1節でイエスは「言葉」に例えられている。

 仏教はインドから中国へ伝わったが、中国の仏教では「道」は「真理」や「言葉」などを意味する。

 例えば、「得道」は「道である真理を会得する事」や「(真理を会得して真理を)言う事ができ得る事」を意味する。

 「道」という漢字には「言う」などの意味が有る。

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