第13話

桃花の誕生日が近づくにつれ、優華の心はドキドキと高鳴っていた。特別な日を祝うために、優華は陽夏莉、知子たちと密かに計画を立てていた。サプライズパーティーを開くことに決めた。優華は桃花の好きな食べ物を集め、手料理を振る舞うことにした。陽夏莉、知子も協力を申し出て、装飾やケーキの準備を手伝ってくれた。


数日後、誕生日当日がやってきた。桃花は何も知らず、いつも通りの平凡な日だと思っていた。優華は、桃花を自宅に誘う名目で「遊びに来ない?」と提案した。桃花は少し不思議に思ったが、優華、陽夏莉、知子との時間を楽しむことにした。


その日、桃花が優華の家に到着すると、いつもと同じようにリビングに入っていく。すると、優華、陽夏莉、知子が「ハッピーバースデー!」と声を揃えて叫んだ。桃花は驚きの表情を浮かべ、目を大きく見開いた。リビングには、カラフルな風船や飾り付けが施され、テーブルにはおいしそうな料理が並んでいた。


「!」と、桃花は信じられない様子で周りを見回す。優華は笑顔で近寄り、「サプライズだよ!お誕生日おめでとう!」と言った。桃花の心は嬉しさでいっぱいになり、思わず目に涙が浮かんだ。


食事が始まると、桃花は優華が準備した手料理を一口食べるごとに驚きと感動が広がっていった。「これ、すごくおいしい!優華、ありがとう!」桃花は、料理の一品一品に感謝の気持ちを込めて言った。優華は、桃花の笑顔を見守った。


食事が終わり、デザートの時間になると、優華、陽夏莉、知子がケーキを持ち出してきた。そこには「Happy Birthday」の文字がデコレーションされている。桃花は再び驚きの声を上げ、笑顔がこぼれる。「ありがとう、みんな!」と心から感謝を述べた。


そして、優華が特別なプレゼントを持ってきた。「これ、私からのプレゼント。開けてみて!」桃花はドキドキしながら箱を開けると、そこにはふたりの思い出の写真が飾られたアルバムが入っていた。優華は、「私たちの大切な思い出を集めたんだ。これからもたくさんの思い出を作ろうね」と言った。


桃花はその言葉に胸が熱くなった。「優華、嬉しい。」と言い、二人はお互いの目を見つめ合った。


その時、優華は一歩近づき、桃花かの手を優しく握った。「これからのことを考えると、桃花のことがもっと大切に思える。私、桃花のことが大好きだよ」と告白した。桃花は驚いた表情のまま、ゆかの真剣な眼差しを受け止める。「私も大好き!」と、桃花も思いを伝えた。


陽夏莉、知子が「おめでとう!」と祝福の声をかける中、ふたりは互いに寄り添い、心が通じ合った瞬間を味わった。桃花はこの特別な日が永遠に続いてほしいと願いながら………。


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日常の中に消えてく 紙の妖精さん @paperfairy

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