第27話

いきなりキスしてきて


上に乗っかってきて


挙句の果てにあたしの「初めて」を奪おうとして

(キスは奪われた)


それなら「彼氏」になる。


なんて言っといて、今朝の態度は何!?




あたしはプリプリと頬を膨らませて教室へと向かった。



廊下には制服を着た沢山の「坊ちゃん」「嬢ちゃん」が歩いている。


みんなキラキラと輝いて見える。



笑い方も「おほほ」「うふふ」


すれ違い様に「ご機嫌よう」と言っているように見える。






あたしは…


ただ櫛を入れただけの髪


制服だってどうやって着たか覚えてない


楽しみにしてた朝ごはん(バイキング)は食べ損ねたし


全てはアイツ、「偽王子」のせい




イライラと廊下を歩いていると


ジロジロ

チラチラ


あたしを撫で回す視線たち。




(あ、あたしの格好どこか変???)



立ち止まって背中を見たり、スカート丈を気にしたり、アセアセとボディチェックをしていると引かれた腕。



「!!!」



階段近くの薄暗いところに引きずりこまれた。

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