第3話

そう…「パラダイス」という名の建物である。



どこかの国の洋館を思わせるクリーム色の建物。



左右対象に伸びる4階建て。



その中央は上から見ると大きな円形のホールのようになっている。



各階毎、談話室となっていてドアで区切られている。



その談話室の中央にこれまた円形のエレベーターが設置させているところらへんが私立、そして金持ち度をアピールしていると思う。



そんな冷静な分析をしながら、寮へ続く煉瓦造りの蛇行道を歩く。



この建物に合わせて作られたレトロチックな建物が、校庭を挟んでもう一つ佇んでいる。




それが「私立乙女川高等学校」



もちろん「おとめがわ」とそのまま読む。



あたしは黒い両開きの大きな扉をゆっくりと押して中に入った。



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