第11話ダンジョン編完結

「ここは…?」


どうやら俺は王との戦いの後気絶してしまっていたようだ、それしてもここは一体どこなのだろう…

さっきいた部屋とは違い何もない辺り一面、白だけの部屋だ、


「よく来たな」


人の声?

俺は数ヶ月ぶりに聞いた人の声に驚きながら振り向いた、そこには形も分からない何かが確かにそこにいる


「初めまして私は○!※□◇#△」


なんて?言ってんだ、俺には全く名前が聞き取れなかった。


「名前は言えないようだな」


「あんた、一体誰なんだ?」


「一体誰かだと?私はお前にスキルを与えこのダンジョンに招き入れた物だ」


「あ、あんたが俺をここへ、?」


驚いた、俺はたまたまこのダンジョンに来た訳ではなく招かれていたのだ。


「一体どうして?ダンジョンに転移されたのは俺だけじゃないはず…」


そういえば志保はどうしてるんだろう…俺は最低だ、身をていして守ってくれた子の事を忘れるなんて


「君がここに招かれた理由は私と同じ感情を抱いていたからだよ、世界に対しての絶望、不甲斐ない自分への苛立ち、誰かに復讐したいと思っているその心」


「おっさんみるからに強そうだけどそんな人が俺と同じ?そんな訳ないだろ」


俺は腹がたった、こんな弱者の気持ちがみるからに強そうなこいつなんかに言われた事に腹がたったのだ


「私が強いか、確かに私は強いがそれは人間基準での話だ、いくら私が人間基準では強くても何も守れない」


「意味がわかんねぇ、けどおっさんが俺と同じ気持ちだってのは分かった」


なぜだか分からないが俺と似てると思ってしまったのだ


「そうか、ここに君がいられる時間はそう長くはない、何か聞きたい事はあるか?」


「じゃあ2つ程、あの魔法使いと剣士、それに最後に出てきたあの王は一体何者だ?」


俺が何よりも不思議に思っている事だ、人間でもなければモンスターでもない、まるで人の形を模しただけの人形みたいな


「あの3つのか?あれは私の部下が錬金術で作った人形だよ、」


人形だと?おっさんは確かに今そう言った、錬金術であんなものを生み出せるのか、?


「てことはあの王はまさか…」


「あぁ、そのまさかだ、あれは私が作った人形だよ」

なんと、まさかこいつがあの王本人だった


「あれがおっさん!?じゃあ教えてくれよ!なんで俺は負けたのに勝った事になってるんだ!?俺はあそこで確かに負けたのに…」


あんな敗北感を味わったのは異世界に転移してきた時以来の敗北感だ、思い出すだけでも腹が立つ


「他2体は君が勝つのを想定して造られているがあれは君を試す物だ」


俺を試す?一体どう意味だ、

「どう意味だ?」


「意味?そのままだよ、あれは君が最後の攻撃を耐えれるか、君が圧倒的な力の差を目にした時の行動を試す為のものだよ」


「つまり俺はあんたの試験に合格したから今ここに居るってことか?」


「そういう事だ、今から君にする話と託す力は私が選びそして達成した物に渡すと決めていたのだ」


「力だと??」


新しい力を託す?そんな事が出来るのか?あの女王ですら出来なさそうな事だぞ


「あぁ、そうだ渡す代わりに1つ頼みがある」


「頼み?」


「私の叶えられなかった事を叶えてくれ」


おっさんはそう強く言った、


「それが何かなのかは分からないが分かった、だが知ってるとは思うが俺はこの力を復讐に使うぞ?それでもいいのか?」


「あぁ私の願いの叶えてくれるのなら好きにするといい、まず目を瞑ってくれないか?」


「分かった」


俺は言われた通りに目を瞑った


「<譲渡>」


おっさんは何かのスキルを使った


「よし、完了だ」


「おっさんほんとに終わりか?何も変わった気が…」


「ステータスを見てみなさい」


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一ノ瀬空17歳 男 

ユニークスキル:<選ばれし者 ><錬金術>

筋力:20000

体力:16000

耐性:14000

敏捷:19000

魔力:18000

魔耐:13000

スキル:<伸びる> <硬くなる> <錬金> <身体強化> <毒耐性>

<捕食> <縮地> <自己再生> <武器作成> <念力> <殺気> <異空間> <透視> <属性耐性> <スキル使用短縮> <譲渡> <複製> <???> <???> <???> <???>

======

「なんだこの能力値は!?」


全能力値の桁が変わっている


「今の私がしてやれるのはここまでだ」

ここまでって5倍以上あるぞ?


「それにしてもこのスキル所の?ってなんなんだ?」


「それは今の君じゃまだ使えないだけだ、いずれ使えるようになる」


「今の俺じゃ無理?こんなに強くなったのにか?」


「そのスキルは今持ってるスキルとは比べ物にならないぐらいの物だ、大人しく待っておけ」


「分かったよ、大人しく待つさ」


「あぁ、そうしてくれ、能力と一緒に私の持つ知識とこの世界の事を君の脳内に送った、これで私の願いも分かっただろう?」


「分かったよ、今の俺に出来るかは分からないけどやれるだけやるよ」


俺はこのおっさんから知識と世界についてを教えてもらった、


「その答えが聞けてよかった、もう時間だ、次会う時にはもっと強くなっていてくれ」


「次会うときはおっさんの人形を破壊してやるよ」

おっさんはどこかへ消えてしまった


それと同時に俺は目が覚めた


「うっ、夢じゃないよな、?」


俺は王と戦った場所に戻ってきた、


「出るか」

回復しきった体を起こし扉から出た、そこはダンジョン中ではなく明るい太陽の下だった


「ついに、出てきたんだな」

色々な事があった、これも全部あのおっさんのおかげだ感謝しないと


「ついに出て来られたみたいですね」

「えぇ、そうですね姉様」

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