第4話 旧友
「
毎日何がそんなに楽しいのかケタケタと笑いながら旧友の
聡とは中学からの付き合いでクラスは3年間全て同じ、寮の部屋は隣同士と気色悪いくらいの縁がある。
ヘアスタイルは爽やかなスポーツ刈りに首元のボタンを緩めたラフな着こなし、顔も悪くないのでうちの学校ではそこそこモテる。
超能力は『
10秒間だけ身体機能を強化するちょっとした便利能力なのだが……これを使った後、激しい筋肉痛に襲われるそうだ。
頭は悪いがスポーツ好きで超能力抜きのサッカーではちょっとした有名選手。
俺はその足の速さから地味にサッカー部に勧誘され続けている。
「おはよーさん。聡、俺にあんま触れるなよ。お前ボディータッチ多めだから気をつけてくれ。結構ヤバ目の筋肉痛だから。」
「筋肉痛?部活もやってないのに…ってああ、荷物持ちか。真もあんなのよくやるねぇ。俺ならゴメンだわ。女子の買い物って長えんだもん。」
「俺みたいなモテない男は女子と接する機会を常に探し求めてるんだよ。つーか多分原因それじゃねえ。」
「ん?他に重いもん運ぶ用事なんてあったのか?呼んでくれたら手伝ったのに。」
「用事っつーかあれは急に絡まれたからな。まあ、ちょっと聞いてくれよ。」
学校まで15分ほどの道のりの間、俺は昨日の出来事を聡に話した。
1級超能力者『
「へぇ、良かったじゃん。お前の
「ばーか。そりゃ良かったけど問題はそっちじゃねえよ。」
「ん?問題って?強い人と戦えたのはいい経験になるし能力のアドバイスまで貰えたんだぞ。いいこと尽くしじゃんか。」
「いい経験って…聡、お前はあの女と戦ってないからそんな事が言えるんだ。あのエスパー野郎、電柱とかぶん投げて来るんだぞ。あんなの食らったら普通死ぬって。」
「俺、電柱くらいじゃ死なないけど?」
「お前は肉体強化系の能力者だからな!」
駄目だ。
聡と話しているとなんかムカついて来た。
基本的にいい奴ではあるんだが頭が悪過ぎて話しが通じないのが聡唯一の欠点だ。
「なあなあ、結局何が言いたかったんだよ〜俺にも教えてくれよ〜。」
俺の苛立ちに気付くこともなく聡はしつこく聞いて来る。
ここでこいつに怒っても意味はないと諦めた俺は口を開いた。
「要は危険だから2週間後の約束、無視してもいいよなって話だよ。」
「いや、それは駄目じゃね。流石に相手が可哀想だろ。」
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