第2話 念動力《テレキネシス》
「いつまで逃げていられるかしら——ねえ!!」
「ちょっ、待て!あっっぶねえ。」
最も容易くそこら中の電柱を触れずに引っこ抜いては宙に浮かせて投げ付けてくる。
間違いなくあの女子高生は超能力者だ。
触れずに何かを操作するって事は念力系の能力、質量に加えて常に電柱を4、5本操っている事からも高位の能力者だろう。
能力者にも格というものが設定されている。
これは同系統の能力でも、使用者によって違いがあるからだ。
例えば俺の
同じく空間系の高位能力でいえば
念力系は割とポピュラーな能力だ。
ありきたり故か念力系の能力者は多く、全員が似通った力が故に等級分けは純粋に動かせる物質の質量と数で判別される。
——電柱を飛ばしてるって事は少なくともステージ3。そんな高位能力者の相手なんか俺に務まる訳ねえだろ。
飛んで来る電柱を避けながらひたすら逃げ回る。
日頃からパシリや荷物持ちをしている俺は自慢じゃないが足が早い。
この程度なら逃げ切ってみせるさ、なんてそんな事を思っていた時期が俺にもあった。
「さっきからちょこまかと逃げ回るばかり……いい加減、鬱陶しいっての!!」
電柱が地面に突き刺さり、檻のように行く手を阻む。
前後左右、それに上まで全ての逃げ道が封じられてしまった。
——ってかこれ何本の電柱操ってんだよ。こんな事したら街にも被害が……
案の定、周囲はちらほらと停電している。
一体どれだけの被害が出てるのか…弁償なんて俺はごめんだぞ。
っと、そんな事より先にこの状況をなんとかしないと駄目だ。
なんせ周りの被害を考えないこいつの事だ、下手したら殺される可能性だってある。
「ようやく捕まえた。で、あんたなんで戦わない訳?私が念力系最強の超能力者——
藤原麗奈、その名には聞き覚えがある。
念力系超能力の最上位、1等級に位置する能力『
最弱の6等級能力『
勝負の結果なんて火を見るよりも明らかだ。
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超能力の等級基準
6等級…最弱。持っていても意味のない力。
5等級…劣等生。マッチ程度の火を出すくらいの力。ライターの方がまだ使える。
4等級…一般的な能力者。いわゆる超常現象を起こせる力。戦闘にはあまり使えない。
3等級…高位能力者。この辺りから戦闘にも使える力と認定される。
2等級…エリート。最先端科学兵器と同等の力を保持する。
1等級…最強格。最先端科学兵器でも再現不可能とされる超能力を扱う。
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