4.合コンの結末

第29話

「七美ー!遅いよ!みんなもう待ってるんだからね!」



美香が腕組みしながら店の前で仁王立ちしている。



「ゴメンっ!中々仕事終わらなくってっ」



私はフゥーっと息を吐き、走ってきて額に浮かぶ汗を乾かすべく、手で煽った。


それに、今日に限って七瀬が手伝ってくれなかった。

七瀬曰く、「私との約束じゃないのに、手伝う義理はないわ!」だそうで。私ばっかりイケメンに会いに行くのが気に食わないらしい。


自分の方がイイ男沢山知ってるくせにっ。



美香に背を押されながら、お洒落なお店に足を踏み入れた。ゔー。久々の出会いの場に、若干ドキドキと緊張してきた。



「ごめんなさーい。一人遅れてきた子、今来ましたー!」



美香がさっきとは打って変わって、可愛らしい声で個室の扉を開いた。


私も美香の後に続いて、おずおずと中に入りながら頭を下げた。



「ゴメンなさいっ、遅くなっちゃって…」



と、言いながら顔を上げた時だった。

入り口に一番近い場所にいる彼と目が合った。


え、


え?


えぇ!?


向こうもかなり驚いた表情でこっちを見ていた。


な、な、ななな、何で、文也が居るの!?


そこに座ってたのは、元彼の二階堂文也だった。

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