第31話

二人でリビングのソファーに座って向き合う。凛くんは照れくさそうにしながらも、ガシガシっと長くてウザったい前髪をかきあげて、、




掛けていた昭和感漂うメガネを外して、近くのローテーブルの上にそれを置いた。





───…うぅっ、尊すぎてしんどいっ!





視力があまり良くない凛くんは…おそらく今、とてもボヤけた視界の中の私をぼんやり眺めているのだろう。




少しでもよく見えるように…っと、眉間にシワを寄せながら凛くんが目を細めると…心臓がドクンっと飛び跳ねる





そんなっ、切なげな顔でこっち見ないで///






「柚ちゃん…?そろそろメガネ掛けていい?」





メガネを取ろうと、ローテーブルに手を伸ばした凛くんの手を…慌てて掴んだ。




「───ゆずちゃ、」



『メガネしちゃったら─…デキないからっ』





だから、もうちょっとだけ…このままね?





瞬きを繰り返している凛くんにそっと近付いて、触れるようなキスをする。それだけで凛くんの身体はとても驚いたように飛び上がる

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