第28話
お弁当と水を置かれても、飲み食いする気になんてなれなかった。
…ていうより、後ろ手で手錠されこの状態で、どうやって食べたり飲んだりしろというのだろう?
お弁当はラップできっちりと密封されているし、ペットボトルの蓋だって閉まったままだ。
別に食べたいわけじゃないけど、この状況に苛立ちを覚える。
恐怖心が完全に無くなったわけではないけど、さっきの男の気持ちの悪さ、意味のわからないお弁当に無性に腹がたってきた。
するとまた、扉が開いたのに気付いた。
またさっきの髭面の男かと思って、思わず体を強ばらせる。
睨むように、視線を戸口に向けたけど──。
入って来たのは、あの美しい男だった。
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