第27話
男はひとしきり作業を終えると、何とも不快な笑みを浮かべてわたしを見てきた。
ニヤニヤと薄気味悪い厭らしい目付きで、わたしの全身に目を這わす。
それから、
「カワイイ。」
と、片言の日本語を一言発した。
男の視線が気持ち悪くて、わたしは慌てて彼から目を反らす。
彼の目は、スカートから投げ出されたわたしの素足の太ももの辺りを舐めるように見ていて、吐き気すらしそう。
更にその発言も気持ち悪さを助長させていて、早く去ってくれないかとそればかり考える。
男はその後もしばらく嫌な目付きでわたしを眺めた後、部屋から出て行った。
彼が出て行った後、ホッと胸を撫で下ろす。
檻の中にいるから、まるで動物園の動物にでもなったみたいな気分。
餌を入れられ、ジロジロと観察されるなんて──。
早く早く、ここから出たい。
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