第26話

それから、わたしは未来を信じることをやめた。


他の子達みたいに、オシャレに興味を抱くことをやめた。


恋の話で、盛り上がることもやめた。


夢中になっていた、『あること』もやめた。






わたしが今すべきことは、ただ毎日を精一杯生きること。


働いて自分を養うこと。


傷付いた母を、いたわること。


それだけなんだと、自覚した。






母の希望で、高校には進学した。


だけど、母の稼ぎは殆ど借金の返済に当てられていることは知っている。


だからアルバイトをして、学費は自分で稼いでいる。






母だって辛いだろう、娘の学費すら工面出来ないことが。


だけど現実はわたしのバイト代がないと生活出来ないから───母はまだ15歳のわたしが夜遅くまで働くことを黙認している。

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