第5話

「この店、来たことある?」


 周囲も薄暗くなり、路地裏の隠れ家的なバーまで案内するわたし。


「いや、このBARははじめてかも」


 店の、外観をながめるアファエル。

 まぁ、酔っていたらわからないよね。


「いらっしゃい」


 ドアを開けると、カウベルが鳴り、マスターが声をかけてくる。


「マスター久しぶり」


 わたしが、そう言うと、


「あぁ、今日は彼氏さんと?」


 しばらく来てなかったけど、覚えてくれていたみたいね。


「うん、まぁ、そんなとこ」


 テキトーに、誤魔化す。


「常連なんだ?」


 そう、アファエルが聞くので、


「時々、1人で。呑みたい日に」


 正直に答える。


「ふーん、そうなんだ」

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