お題『膝を抱える』
小さい頃から、何かあると叔父さんの家に行っていた。叔父さんはちょっと困った顔をして、でも何か言うでもなく、僕を迎え入れてくれた。
その日は叔父さんの部屋の片隅で、膝を抱えていた。そうしてキャンバスに向かう叔父さんの筆の動きを見ていた。
そのうちに叔父さんは、甘いホットミルクを用意してくれた。自分はコーヒーとミルクを適当に混ぜて飲んでいた。
叔父さんは何も言わなかったけど、僕は叔父さんのことが好きだった。
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