第5話 ガチデート
「あ、あの、ルイちゃん」
「ん?何ですか?」
そう言いながらルイちゃんは私の左肩から10cmのところで答える。
なぜこんなに近いのか。そんなことより、私はほかのことで頭がいっぱいだった。
(すごくいい匂い。あ、いやだめ!これは罰ゲームで、私は今ルイちゃんに恥と、嫌な思いを抱かせている。そのことだけで私のEがAになりそうだ。)
手をつなぐことが罰ゲームなはずなのに今では私の腕にからんできて少し上目使いでちらちらと私の顔を見ている。
顔は少し赤らんでいて、足取りも少しおぼつかない。当たり前だ、ずっとこんな汚くて無知で無能なブスの隣にいるのだ。体調が悪くなるのは必然。
「い、一回休憩しない?」
「そうですね、わたくしとは違い紫水はブスな引きこもりですから、体力はないですね。」
「ご、ごめんなさい」
「あっ!間違えました。体力もでしたね。」
ぐふっ。
さすがにクリーンヒットだ。私は体力とともに精神力も削られ、逆にルイちゃんにもたれかかるように、近場のカフェに足を進めた。
【天羽ルイ】
(キャーーーーーーーーーーーーーッkhgzsぶvksんhヴhふいshjvせbbヴいsんjkzきlvはうぶいjぶfbヴいbすいh)
何だこの生き物は?天使か?いや女神か?右隣にいるこの存在はぐったりと腕にもたれかかってくる。
かわいい。
日本人よりもほんのわずかに彫りがある小顔に低身長ながらもスタイルの良さがわかるボディライン。
おどおどしていて常にわたくしの方を意識している。
あの部屋での罰ゲームから今に至るまでこの存在に対しての劣情を抑えきれずにずっとムラムラしている。
「あらどうしたの紫水、欲しいものがあるならわたくしに言いなさい」
「え、えっと。あの服とパンツみ、見てみたいな」
今紫水が指さした服は部屋で着るようなホットパンツとぶかぶかな白いT-シャツだった。
シンプルで部屋着としてとてもいいものだと思う。
正直わたくしの可愛い紫水なら何を着ても似合うし、ここはぜひともあれを着ている紫水を見たいのだが、それはわたくしのやりたいことではない。
「ふふっ、だめね紫水。あんなかわいらしいものは紫水には似合わないよ。そうねこっちなんてどう?」
「そ、そうだよね」
そう言ってわたくしの選んだものを着せる。
(紫水にはわたくしの選んだものを、思いを身につけていて欲しい。ほかの誰にもとられないように。わたくしの物ということをはっきりと伝えるために。
周りのヤツらがちらちらとわたくしたち二人を見てくる。紫水は気づいていない。その視線がわたくしだけでなく紫水にも行っていることに。
誰にもとられたくない。誰にも。紫水は私だけの物。だから小さいころからゆっくりゆっくりと少しづつ時間をかけてきた。私だけの物になるように。紫水がそれを望むように。────────────────
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ルイの心の中はこうなっていたんですねー。皆さん今初めて知りましたよね?私もです。
ちなみに紫水の心の中の「私のEがA 」のアルファベットは紫水の身体的特徴のことです。「○○が潰れるような思い」というような感じです。
では、また。
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