第9話

――ドンドンドン!


 


玄関扉を激しく叩く音がダイニングルームに響き渡る。



私のお尻から生えた尻尾がぶわっと膨らんだ。


 


「モネ!!!」


 


姉に鋭い声で名前を呼ばれて、思考もままならないままバックパックを掴んでベランダから飛び降りた。


 

がさがさと木の葉をかき分けながら地面に着地した後、咄嗟に部屋を見上げたけれど、姉がそこから顔を出すことはなくて。



私は振り切るようにしてその場を去るしかなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る