第33話

「…今っていつ?」


「いつって、ええっと」


母ちゃんは

エプロンのポケットから

携帯電話を開き見ている。


「1月10日だけど…?」


「何年?」


「2010年よ?

忘れちゃった?」


呆れたような

擦れた笑い声が

混じっている。


2007年じゃないと

言う事は、


一からではない。


僕が初めて

タイムスリップした日だ。


僕は癖で

腕に目を落とした。


「あ…れ?」


「どうしたの?」


「腕時計がない…」


「腕時計なんて

いつもしてないじゃない?」


「そんなはずない。

いつもして…」


そう言いかけて

僕は口を止めた。


「まさか


全部夢…なのか?」


「そうね、

どんな夢見ていたの?」


「そんな…

全部夢だったっていうのか?」


「雄大?」


僕は母ちゃんの

携帯を奪いとり時間をみた。

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