第27話
私もお母さんの影響で一時期お弁当作りに凝っていたけれど、お母さんの作るお弁当のが美味しいから、私自身もお母さんのお弁当を食べたいし、最近は全然作ってない。
「えっ、もうこんな時間!?」
壁にかけてある時計を見ると、確かそろそろお昼休憩が始まるはずで。
「もう!!!寝坊しなかったのになんで~!」
リュックを背負い、お弁当の入ったバスケットを持ち、ローファーをつっかけて、家を出た。
◇
「間に合った、よね?」
高校に着き、息を切らしつつ一生懸命陸を探していると、後ろから腕が回されて。
「おわっ」
「間に合ってねーよ、ばか」
私を抱えるように包む香りと声は、よく知っていて、そして大好きなものだった。
「なんだあ、陸かあ」
「お前お昼からなのに、寝坊したの?」
「してないから!」
呆れたような声をかけられて、むきになるから余計に子供っぽいんだろうな、って自分でも分かってる。
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