第26話
「紗葉はまだ行かないの?」
「もうちょっとしたら行く~」
「りっくんと紗葉の分のお弁当も用意してあるからね!気を付けていってらっしゃい」
「えっ、ありがとう!お母さんもいってらっしゃい」
お母さんにそう声をかけると、リビングの方向から、いつもの見慣れたスーツ姿とは違う、ラフなポロシャツを着て、大きなバスケットを持ったお父さんも現れて。
「紗葉、パパにもいってらっしゃいって言ってくれ」
「いってらっしゃい、お・と・う・さ・ん」
「陸の応援頑張って来いよ。パパ、ケーキ買ってくるから、帰ってきたら食べような」
「ありがとう、お・と・う・さ・ん」
どうしても娘に自分をパパと呼ばせたいらしいお父さんは、まだ粘ろうとしていたけれど、お母さんに引っ張られ、ようやく車に乗ったみたいだ。
ダイニングに向かうと、テーブルの上には、お母さんが持って行ったものよりも小ぶりなバスケットが置いてあって。
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