第32話
運良く、席替えで前後の席に座ることが出来た親友の千織(ちおり)が、くるっと私の方を振り返って。
「小町ー、今日私部活ないんだけどさ、遊び行かない?」
「ん、いいよ!どこ行く?カラオケ?」
「カラオケいいねー!」
今日は女子高生らしい放課後を過ごせそうだ。
わいわいしていると、「ちーおーりー!」、親友を呼ぶ声が教室のドアのところから聞こえた。
「ごめん、ちょっと行ってくるね。」
「はーい。」
ハンドボール部の千織。呼んでいたのはハンド部の女の子だった。
なんだかちょっと嫌な予感がする。
千織のことを凝視していると、どんどん、あちゃー、という表情になっていく。
…これは、予想通りになりそうだなー。
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