第33話

「おばあ様は今どこに?」



「蜜歩に捕まっておる」



おじい様は小さくため息を落とした。



蜜歩、ミツエ。



蜜ちゃんと王子の一家はどんな関係なの─…?



あたしは生唾を飲み込み、食い入るようにグラスに耳を押し当てた。




「…ところで、蜜歩にそっくりなあの子はどうしたのかの?」



おじい様が訊ねる。



「最初風呂場で会った時、蜜歩と言ってしまった。あの子は気づいておったかの?」



「いえ」



あたしはその言葉に記憶の糸を辿る。



言ったっけ?



いっぱいいっぱいで覚えていないけど、本当に似てるんだ。




…うん、似てるよね。



だからなのかな?



王子の家族もみんな優しくしてくれる。




あぁ。


まただ。



このことになるとあたしは嫌な子になってしまう。

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