第31話

地団駄を踏むあたしを見て王子は言葉を漏らす。




「色んな意味で単純だよな」




単純という禁止用語をビシッと踏んだ。




「単純言うなっ」



「俺は褒めてるつもりだけど?」



王子は素っ気無くそう言う。




「…あんまり羨ましくはないけど…」



ほんとに一言余計なんだよ、このクソ王子は。



絡んだ足を離して、あたしから離れて王子はイヤミったらしく微笑んだ。



そして気づく、王子のペースになってしまったこと。



結局あたしの質問は霧の中。




「ちょっと待って!ちゃんと答えてっっ」



あたしは王子のシャツを掴んで、そう叫んだ。



「関係?」



「そう!!」



「─…俺と蜜歩の関係は─…」

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