第27話
王子は振り返り、あたしを見る。
大きな声に驚いたのか、一瞬瞳を丸く開いてまた元のポーカーフェイスに戻った。
「何?」
つんとしている王子の瞳。
強さを見せている。
うん、これが王子だ。
すっかりマゾ体質にされてしまったあたしは、王子の強い瞳が好きなんだ。
この強さに落ち着くんだ。
「すー…はぁ…」
ゆっくりと呼吸をして、
「克穂に聞きたいことがある」
あたしは真っ直ぐに王子を見据えた。
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