第42話 松澤病院院長室

   松澤病院院長室


 壁の時計が「十二時四十五分」を指している。

内村院長と西丸医師、畑婦長がソファーで。

鮫島看護婦、朝倉看護婦は椅子に。

五人は座って固唾(カタズ)を飲んで時計を見詰めている。


朝倉が、

 「院長、本当に良いんですか? 警察に連絡・・・」

 「待ちなさい。一時に成るまで待つんだ」


西丸、

 「焦らなくても、またここに戻って来る」 


朝倉、

 「沢山の取り巻きを連れて。でしょう」

 「この病院から脱走して有名に成る患者は、あの人達以外は居ないでしょうね」


内村、

 「僕は、この件に関しては『シ・ラ・ナ・イ! 』。関わりたくない」


西丸は冷えた紅茶を飲みながら、

 「院長のお父さん(内村鑑三)なら、そうは言わないでしょうね」


内村はきつい眼で西丸を睨(ニラ)む。

                          つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る