第31話

するとすごい剣幕で怒っていた女は泣き出してしまった。


取り巻きのふたりも怒りを露わにして怒声をあげ、たちまちわたしは壁と背中合わせになる。押さえつけられている肩が痛い。




「ちょっと可愛いからって調子乗んなよ」


「てかスカート短すぎなんだよね。あ、切ってあげようか?」


「え」


「それいいじゃん!どうせならもっと短くしよ」


「待って、それはやめようよ。スカートに罪はないもん。それに切るってどこまで?パンツ見えちゃう」


「はー?おまえみたいな名前どおりゆるゆるの女にはちょうどいいんじゃない?パンツでも見せて校内歩いとけば?」


「ほらユリ、こいつ押さえとくから切っちゃいなよ!」


「ねえ本当に切るつもり?」


「おまえは黙っとけビッチ」




ええー……。ユリ、と呼ばれているのはわたしが昨夜えっちしちゃった男の自称彼女。今は再び鋭い双眸でわたしを睨みつけている。


さらにスクールバッグの中から取り出したハサミを持ち、こちらに近付いてきた。



……大丈夫かな?わたしこのまま刺されたりしない?どうしよう。痛いのは嫌いなんだけどな。


でもこの拘束から抜け出そうとしたら、さらに怒らせちゃうかも。これ以上怒らせたくはない。


それに相手が女とはいえ、わたしだけで3人に勝るほど強い力は持っていない。

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