3.Dawn of Dispair

私が不注意だったんだ。信じてあげてたら、何か変わってたのかな。

2日前の誕生日会が思い出されて泣けてくる。


あの夜、私は屋根の上にいたまま寝てしまった。普段であればよくあることで、その度に親から、家出したのかと思っちゃったじゃん!と心配された。

けど、今回は訳が違った。

莉子がSOSを発していた昨夜、私の家にもいわゆる変な人が訪れていたのだ。それを知ったのは屋根で夜を明かした日の朝、目を覚ましてベランダから家の中に入ると家の中は驚くほど静かだった。

お母さん、おはよー。

階下に向けていつもじゃ言わないくらい明るく挨拶を発した。

しかし、おかしなことに返事はなかった。この静かさといい、母親の無視といい、今朝はイレギュラーな様子だ。嫌な動悸がした気がして階段を下るスピードを速めた。

そして、一階リビングに入ったとき、昨日の莉子の「大丈夫!?」の原因を察した。

意識を失いかけた。


ここまで分かりやすい絶望はあっただろうか。

ここまで簡単に想像のついてしまう友人の残酷な運命はあっただろうか。


母と父の血の区別がつかなくなってしまっている床に膝をつける。まだ、かすかに親の残り香がある気がして1人、生きている人間は誰もいない空間に、、、

 ねえ、今日の朝ごはん何?

返事はない。改めて孤独を思い知らされて叫びたくなった。

もうダメかもしれない、、、

絶望に包まれて体が思うように動かせなくて、

そんな夜明けだった。

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