第96話
私は、仕事や、普段のことは判断が速い方だと思う。
それなのに、ユキに「おはよう」と声をかけるのを、迷っている。
何か忙しかったり、寝ていたら迷惑だろし、そんなことを言われてユキが困ったら、私が困る。
さっき、ユキの時間を邪魔しないと言ったのにな。
どうしようかな?
どうしようかな?
どうしようかな?
ええい! 送ってしまえ!男だろ!!
情けないことに、本気で悩んでいる。
いっつも、痛いメールでユキを困らせているのにな。
でも、幸福な悩みだ。
ぜんぶユキが与えてくれたものだ。
私にとって、とても大切なもの。
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