第10話 思い出せない記憶
ニャーン。
「あっ。ごめん。カエデ。ゴハンまだだったよな。リクもお腹すいたならメシ作るよ。」
「えっ!いいんですか?わーい。」
カイトの濡れた髪から落ちる雫にそっと触れる。
「おっ・・おい急に触るなよ。」
「濡れてたから・・。」
「メシ作るのが先。大人しくしてろ。」
「はーい。」
「・・・昨日のこと覚えてなくてごめんな。」
「ううん。大丈夫です。」
「俺さ・・。」
「はい。」
「たまに記憶が曖昧になるんだ・・。」
「え・・?」
「なんか・・昔・・5歳くらいの時に神隠し?みたいなのにあって・・
3カ月間くらい行方不明になったことがあるみたいで・・。」
「・・・何も覚えていないんですか??」
「うん・・・気づいた時は病院だった。」
「それからかな・・時々・・夢なのか現実なのかわからない時があって・・。」
「・・夢ってどんな夢??」
「誰かが・・忘れないでって・・言ってる。何か約束したのかもしれない・・。 」
「・・・思い出したい??」
「・・・思い出したいような。思い出してはダメなような・・・
あっ。すまんすまん。そんなことはどうでもいいな。
さっ。できたぞ。」
「・・・わっ。うまそ~。ひさびさのゴハンだ~。」
作ったメシをおいしそうに食べるリクの姿がどこか懐かしさを感じさせた。
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