第3話 新人君の接客

 へぇ・・あんな笑顔で接客できるとは。オーナーの知り合いだけのことはあるな。


 初日というのにリクの接客ぶりは常連客も満足させていた。


 人を見て対応ができている。

 ・・・あの面接のときのぷるぷるは何だったんだ?


 俺・・そんなに怖かった??


「カイト~。今日もうち来るぅ~?」

耳元で囁かれる甘い声。今朝の名前も知らないウサギちゃんだ。


「ん~。今日は予定があるから難しいかな。」


「え~。何の予定?他に女でもいるの~。」


・・・・。

女は1回ヤルと彼女気どりになるのはどうしてなのか。


「違う。違う。今日は、リクくんの歓迎会があるの。ねっ。リクくん。」


「え??・・あっ・・はい。」


「なにそれ~?私も行きたい!」


「仕事の反省会もあるからまた今度ね。これでもちゃんと仕事してるんだよ。俺。」


「ん~。じゃ、キスしてくれたら許してあげるぅ~。」


カウンターから身を乗り出し首に手を回され、柔らかいくちびるが・・


か・・かたい


ん?


「ちょっと~。新人君がどうして邪魔するのよ~。」


俺のくちびるを奪っていたのはゴツゴツしたリクの手だった。


「だって・・うらやましくなって。カイトさんばっかりいいなって。」


「えっ(//////)なに?やだ~。新人君ったら。」


「僕にもチャンスもらえませんか??・・1杯作ってもいいですか??」


「もぉ~仕方ないな~。い・い・よ!」


「やった!ありがとうございます。」

クールそうに見える外見から飛び出したふんわりやわらかいリクの笑顔に、

昨日一緒に過ごしたうさぎちゃんの心は一瞬で奪われた。


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