第3話
失恋をしたことなら、何度でもある。
中高年になっても、僕は、凹んでいる。
ただ、10代、20代、30代前半と違うのは、経験を積まないといけないと分かる。そして、色んな人に会って、色んな話をしないと分からないと思う。
…
大人になって、連絡交換をしたことがあったが、最初から、僕は、上手くいかなかったと分かる。
僕は、自惚れていたのだと分かる。
相手の立場なんて考えていなかったのだから、と納得している、この年齢になると、と思う。
僕は、上手く距離を取る事なんてしていなかったと分かるのだ。
ただ、と思う。
いつも、僕は思っているが、人間、見栄を生きていることが、若い間は多いと思う。僕だって、そうだった。
しかし、40代後半になっている僕でも、たまに、「マイペース七瀬さんの小説、良かった」なんて言われたらそれは、芥川賞作家になれなくても、嬉しいと思う。そんな時、僕は、「ああ、小説を書いて良かった」と思う。
たまに、僕は、歌っていても「マイペース七瀬さんの歌は良かった」とか言われたら、嬉しいと思う。
今日、僕は、街へ出かけた。
帰り際、イケメンの兄ちゃんが、頑張って、女性に「お茶を飲みに行かないか?」と誘っていた。気持ちは分かるが、一度、何か打ち込むものは、この人にないかな?と思った。
だが、それは、かつての僕だったと懐かしい気持ちになって、偲んでいた。
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