クエストを受けるんだよ

家庭菜園レベルだが農地の準備が完了した。後は購入してきた種を丁寧に植えていくだけだな。ちなみに今回買ってきたのは今の季節(確認したら春らしい)に合わせてカブと玉ねぎ、キャベツの3つの種になります。


そういえば、他の野菜も地球で見たことがあるものが多かったけど、何か理由があるのかな?まあ、今はいいか。とりあえず今は種を蒔いてっと。よし!後は川で水を汲んできて、撒くだけだな。


一応家に水を生み出す魔道具はあるんだけど、燃料として消費する魔石が高いんですよ。なのでこっちの水は飲み水とシャワー用です。とはいえ、川まで地味に距離あるから、そこは何か対策をかんがえないとなー…いや、日々の運動として残すのもありか?


そういえばガイア、豊穣の女神様からもらった祝福ってどんな効果があるの?今の段階だと特に実感がないんだけど?


(そのうちわかるんだよ)


そう言わず、教えてくださいよガイアさん。


(私もなんとなくの効果はわかるけど、どれがどのタイミングで発動するからわからないんだよ…)


ああ、そういう感じなのね。とりあえず、水やりも終わったので本日の農作業は完了!当面は毎朝水やりをするだけだけ!


そう思うと一気に疲れた気がする。なので、俺は軽くシャワー(暖めると魔力を余計に使うので常温)を浴びて購入した毛布を纏って床につくのだった。



翌日。俺は冒険者ギルドへと訪れた。なぜかって?もう!金が!ないだよ!金が!!


ホリーさんから借りていた準備金は文字通りの準備で消えた。そして、収穫にはまだ時間がかかる!よって俺ができる選択肢はこれしかない!


(とか言いながら、楽しそうなんなんだよ?)


いや、せっかくの異世界だから冒険者してみたいなじゃん?だって冒険者だぜ。みんなだってきっと一度は好きな物語の中で冒険する自分を妄想するもんだろ?


(みんな?)


そこはあんまり気にしないで。俺にもよくわからないし。


「さてさて。なんか良いのあるかな?」


そんなことを呟きながら、俺は依頼の張られた掲示板を眺めていく。


依頼 薬草の回収 1房200Gで買取 

備考 本日中に最低でも5房以上回収できるかた


うん、薬草と草の違いを知らないのでムリ!


依頼 荷物の運搬

備考 地図はないので村の地理に詳しいかたでお願いします。


うん、新参にはきつい


依頼 となりの町までの護衛

備考 始めての長旅なので護衛になれているかたでお願いします


これもムリ。うん!思った以上にできそうなのがない!


(アル!アル!あれとか良いと思うんだよ!)


おっと!ガイアさんが何やら見つけてくれたようだ!


依頼人 池にたまったヘドロ除去

備考 なし


あのガイアさん。ちなみにですが、なんでこれを選ばれたんですか?


(私が魔法で分解すれば一瞬なんだよ!)


それは池の水ゴトナノデハ?


(当然なんだよ!備考にはなにも書いてないからそれていけるんだよ!)


うわーいデンシャラス。多分それやったら我々怒られますので…水中のヘドロのみを分解できるようになってからにしましょね。


そんなこんなで、依頼を物色していき最終的に受けられそうなのはこれぐらいだった。


常設依頼 ゴブリン討伐

備考 試験合格者 ゴブリン5体につき500G

   魔石は別途買取


でも、常設依頼って先に受ける必要あるのかな?


「あの、すいません。」


「どうかされましたか?」


「いえ、冒険者になったばかりで依頼の受け方を良くわかならない状況でして。」


「かしこまりました。既に受けたい依頼は決まっていますか?」


「常設依頼となっているゴブリン討伐を受けようと思っております。」


「常設依頼ですね。そちらでしたら依頼条件達成後にお受けされることをおすすめ致します。他の依頼と違って早い者勝ちではないので、その方が確実に達成できますよ。」


あ、そういう感じで受けて良いんだ。多分常設依頼って他の依頼を受けたついでに対応する感じなんだろうな。


「そうでしたか。でしたら、先にゴブリンを討伐してこようと思います。」


「因みに、討伐系の依頼は許可制になっております。もし、試験に合格していない場合は討伐をされてもこちらの依頼を受理することはできませんのでご注意ください。」


「ご丁寧にありがとうございます。試験につきましては、昨日ジルさんに相手してもらい合格を貰っていますので大丈夫のはずです。」


「ああ、昨日ジルがギルマスに連れていかれたのはそれだったんですね。その後のジルの反応を見るに本当だとは思いますが、念のためギルドカードをお出しください。照会させていただきます。……はい、確認できました。では、初の討伐依頼、頑張ってください。」


そうして俺は、依頼書に記載されていた場所に向かうのだった。

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