第14話
化粧品売り場の鼻が曲がるような匂いを嗅ぎながら、出口に向かって歩く。
出口方向から、青ざめた顔色した、お姉さんが歩いて来ていた。
俺の数歩手前で急に倒れた。
一番傍に居た「俺」が、大丈夫ですか?と声を掛けたが、返事が無い。
周りに人が寄ってきたので「AEDをお願いします。」
授業で習った通りに実践だ!
AEDが来るまでに、呼吸をしているか確認しよう。
呼吸なし。。。
「まじで、息してない!」
心臓マッサージを30回、人工呼吸を2回。
それの繰り返し。
人形の時には、こんなに胸が押さえられるのか不思議だったが、
人形と同じように押さえられる。
デパートのガードマンがAEDを持ってきてくれた。
AEDの電源を入れ、脇腹と肩口に電極を張り、ブラを外して
AEDのボタンを押す。
”解析中です。。。電気ショックを開始してください。”
「皆さん、少し下がって下さい。」
AEDのボタンを押す。
お姉さんが少し浮く。
”心マッサージを続けてください。”
お姉さんに跨り、30回近く心臓を圧迫していると、
「ゴホンッ。」と咳をしたので、呼吸が戻ったみたいだ。
AEDを付けたまま、救急車で搬送されていった。
救急隊員に、詳しい事情を説明して、解放されたと思ったら。
「少し、お話、いいですか?」
女性店員?職員?さんに声を掛けられた。
「支配人が、お礼を言いたいとの事です。」
「いいえ、お礼など結構です。今、お礼を言って頂いたので、それで十分です。支配人さんなんて、とんでもありません。」
「それでは、私が困ります。どうか、一緒に支配人室まで、ご同行頂けないでしょうか?」
付いて行かないと、この人に迷惑かかるのかな?
「少しだけでいいですか?」
「はい、ありがとうございます。それでは、こちらへ。」
お姉さんに付いて行く。
プライベートと書いてある扉を開けて、階段を上がっていく。
「ここは、社員さん専用ですか?」
「そうですね。裏方専用ですね。売り物倉庫やら、業者さんなどの専用になります。ごめんなさいね。職員専用なので、エレベーターもないんです。」
お姉さんのお尻を見ながらなので「大丈夫です。」
4階の支配人室に辿り着いた。
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