迫力と緊張感ある戦闘描写が秀逸
- ★★★ Excellent!!!
太平洋戦争における空挺部隊さながらに、緻密かつ圧倒的スケールで表現され、一瞬の隙すらも許さぬヒリつきを感じさせる緊張感がバチバチと纏わりつく戦闘描写は、まさに圧巻の一言。
また、武装や工具などはサイズ感をはっきりと描いており、艦艇の種別もしっかり明記、そして適度に織り込まれる名称に適した横文字ルビが振られるなど、作者様にミリタリー系の見識がかなり深い事が随所から滲み出ており、そういった細やかさがより作品の解像度や彩度を高め、ぼやけず鋭い作品に仕上がっています。
その一方で、守るべき暖かな日常の世界にもリアリティがあり、戦いに身を置く主人公らにより深く感情移入ができる、没入感の高い体験ができるのも特筆すべき点です。
絶望的な状況下の中で行われる苛烈なる戦いの物語、とくとご覧あれ。