第13話傭神戦と乱入者と決闘
「そうだ、何で全員エナジー強化の腕環してたんですかね?」ナラクの発言は第二闘技場全員が今それという顔。そこにキネル。
「そりゃあ勝つためだろ」ナラクは納得。
「だから今日限りの物を身に着けてるんですね。あれ一つで五百万ルブはするのに良く揃えたもんだ」ポトアは
「そうなんですか?」気付いていなかった。
ムナは「反則ではありません」知っていた。
キネルは「あれそんなに高いのか?」値段までは知らなかった。そこにポトアは
「今になって言う必要ありますか?気付いていたなら武神戦か戦神戦の時に言えば」「今のギルドはどこも金持ってんだなって感心してたら言い忘れた」ナラクのこういう所も好き♡
ムナは咳払い。「これから傭神戦です。選手入場!」六人の傭神が入って来る。その中にはブレイズのバゾ、エアロルのウトも当然いる!
ムナはナラクに訊く。「誰がナラクさんの指環を身に着けているんですか?」「ブレイズ」
「そうゲストである指環屋の指環を身に着けているブレイズ。朝予選で意味不明に強かったのが胸当てのあの男だあああ!!」
観衆はバゾに注目。それに心配するキネルは
「ナラク、こんなに注目されたら流石に勝つのは無理だろ」苦言。ナラクは
「何の問題もありませんよ。キネルさんは俺の指環を身に着けられないから信じられないでしょうが問題ありません。流石に注目され過ぎだという心配はあの男には無用ですよ」断言。続ける。
「観ればすぐ納得が行きますよ。にしてもエアロルは気合が入ってますね。精霊石製の装具ですよ。ざっと一千万ルブはしますね」
ポトアはナラクに訊く。
「エアロルは武神に戦神も精霊石製だった?」
「どっちも今流行ってる腕環でしたよ。精霊石製ではなかったです」
「なら何で傭神戦だけは精霊石製の装具なの?もしかしてブレイズがナラクの指環を身に着けて来るのを知っていた?」ナラクは笑み
「!もしそうでも関係ありません。勝つのはブレイズなんですから」
確信を持って言い切った。それはブレイズの勝利宣言。観衆はざわめく。ムナはここで
「それでは傭神戦、始め!」開始!
ブレイズのバゾに他のグレード2の二人とブレイドは剣を持って距離を詰め、拳のライジングは様子見の所をエアロルのウトのエナジーランスが襲う。ライジングは迎撃も出来ず脱落。バゾは両拳でエナジーフィストの連打。それは本来下級傭神では出来ない。その奇策と言える迎撃にグレード2の二人は脱落。ブレイドは剣を代償にして何とか生き残ったが一呼吸入れている所をウトのエナジーランスを食らい脱落。残ったのはバゾとウト。
最初に動いたのはバゾ。ウトにデバフを掛ける。それにウトは精霊石製の装具で無力化。そんなもの気にせずバゾはデバフを掛け続けながら距離を詰めエナジーフィストの連打。ウトはエナジーランスで全て防御し攻撃に転じるとバゾは一歩で攻撃範囲外まで後退。ウトは息を整える。バゾも一呼吸。観衆はその攻防に今日イチの歓声。ムナも
「何という攻防。まさか傭神戦でここまでの闘いが観れるとは驚きの一言」興奮!ナラクは
「まずまずな立ち上がりですね。どうやら俺を疑ってたかかったみたいだから様子見だったみたいですね」観察。
バゾもウトも互いの出方を窺っている。緊張感があるがそれを先に壊したのはウト。エナジーアローを放つと同時に自分の距離で優位に進めようとする。だがそれは想定済み。
バゾはエナジーフィストでアローを打ち落とし一気に距離を詰めてフィストの連打。これはさっきの展開と同じ。だがバゾはデバフをかけていない。代わりに自分にバフをかけている。このバフのお蔭でバゾの距離にした。更にさっきよりもスピード、威力、手数が増している。そうさっきと同じ展開と見せ掛けて油断を誘う手。この手を考えたのは勿論ナラク!本来ならこれで沈められる。なのにウトは沈まない!これにはナラクも称賛の拍手。観衆はそれに加えて歓声を贈る!そこにキネルが拍手の理由を問う。
「ナラク。どうして拍手何だ?理由を言え」
悪びれもせず答える。
「正直あのウトは上級傭神とも互角に闘える実力があります。良くここまで隠して来たなという拍手ですよ」ナラクなりの称賛。そこにムナが入り込んで「隠してきたというのは?」疑問をぶつける。ナラクは
「良くあるだろ。こういう時の為に力ある奴を投入するのは。で今回は個人の昇格ではなくギルドの昇格。明らかに企んでる、そうでなければこの状況はあり得ないだろ?」悪い顔。そして視線をウトに向け
「エアロルのギルドマスターってのはやり手なんだろうさ」呆れた。
そんな中二人の闘いにも変化。ウトが攻めに転じてバゾは防戦一方。ウトはここで決めに行く!エナジーウェポンではなくエナジースキル〈スラスト〉当たれば勝ち確の一撃。だがバゾはそれを待っていた。バフを高速移動全振り。バゾは体を軋ませながらバゾが一日一回しか使えないエナジースキル〈ブレイク〉をカウンターとして決めた!ウトは吐血しその場に崩れた。勝敗は決した!そこにムナの叫び!
「傭神戦優勝者はブレイズゥゥゥ!!」
第二闘技場は震えた!それはブレイズにではなくバゾとウトに対しての熱狂!だがナラクには
「言ったろブレイズが勝つって、俺が創った指環をしてるんだからな」当然の結末だった。
そこにキネルは長い間持っていた疑問をぶつけた。
「お前が創る指環って結局どういう代物なのか、丁度良いから聞かせろ」キネルは神気を鎮ませながらナラクを睨む。別に隠していた訳でもないのだがここで色々言うと口うるさいのがいるので触りだけ喋る。
「能力が底上げされるんですよ」
それを聞いた者達全てが頭に?が浮かぶ。その中にはナラクの指環を身に着けているポトアも含まれる。キネルは頭の?の原因をナラクに問い質す、余りの衝撃に言葉に力が入らないがそれでも絞り出す…。
「ナニイッテンノオマエ?」
「何でカタコトになるんです?常識でしょ?」
キネルではなくポトアが問い詰める。
「そんな魔導品あり得ないでしょ。誤魔化すつもりなのでしたら容赦しませんよ」
ナラクは不思議な生き物を見る目になっていた。その生き物に素直に答えて文句を言われるとは余りのアホさかげんに説明するのもナラクは面倒になっていた。そこにムナは
「そんなもの神器にもありませんよ」補足。
それにナラクはびっくりする。
「それマジなの?嘘とかでもなく本当に神器にすら無いの?」
ナラクが珍しく動揺しているのを見てキネルとポトアは本当に知らないのだと理解。そこで疑問が出て来る。ポトアが訊く。
「誰にも言われなかったんですか?自分の能力を底上げするアイテムは存在しないと」
ナラクは逆にポトアに
「なら俺の創った指環をしているポトアさんは何も感じないんですか。特に自然治癒力が底上げされてるのに」詰問。
ポトアは自分のナラクの指環を見て確かに初めての疑問。何故あのズタボロ状態から今の状態にまで治り、前よりも実力まで上がっていた理由を何かしらの能力を掛け続けているのだと理解していた。だがそうだとしたら今ある様々なアイテムでは説明出来ない。一年以上能力を常時発動出来るアイテムは存在しないから!だがこの指環はそれが出来てしまう。
ポトアはその効果に呆然、頭がパンクした。その様子を見たキネルは
「どうやらホントゥ見てぇだな」その言葉とは裏腹にまだ納得が行かない。
そこにムナは皆が聞きたいであろう質問をナラクにする。
「つまりブレイズはあなたの創った指環を身に着けていたからブレイズの勝利を確信していたで合ってますよね?」
「そりゃあそうだよ。あの傭神の現在の力は中級戦神ぐらいの力はあるんだから勝つのは当然だろ?」
第二闘技場はどよめく。もしそれが本当なら反則ではないのか?と。それにナラクは
「魔導品であればどんな装備を身に着けても合法、つまり反則では無い」断言。
会場は言いしれない感情が渦巻く。ナラクは続ける。「次からは反則になるかもな。だけど今回はちゃんと祝福してやってくれ。俺の指環の力を引き出すのも実力だからな、ムナさん仕事しようぜ」ムナは取り残された状態から復活。
「とにかく今回の傭神戦はブレイズの優勝で間違いありません。それにより選手は中級昇格を達成しブレイズのグレードは2から3に上がります。これから指環については検討するそうなので今回は情報で上回ったブレイズの勝利で幕切れとします」「ちょっと待った!!」
第二闘技場に響く叫びにそれを発したであろう人物が選手入場口から現れる。その人物にポトアは正気を取り戻し
「ラダン何しに来たの!?」理由を問う。
ラダンは何食わぬ顔で答える。
「ポトア。お前が言ったんだろ、公式な場でその魔導師に勝てばお前が俺の女になるってな」
「確かに言いましたが本当にやる馬鹿がどこにいるんですか?」ラダンは自分を親指で差す。
ポトアはナラクに詫びる。
「ごめんなさいナラク。まさか本当にやるつもりとは思わなかったの」キネルは興味津々。
「あんたあの男をラダンって言ったかぁ。もし本物ならルーク騎士団の聖騎士だよな」
観衆はざわつく。本物の聖騎士がこの第二闘技場に来るのは一年に一度あるかないか。その聖騎士が闘技場の真ん中に立ちナラクに向かって
「魔導師ナラク、俺と戦って死ね!これは聖戦だ。嫌だと言っても受けてもらう。見ろこれが果たし状だ!」
その果たし状にはこの翠都最高機関セイジバッカス学院院長でありナラクの師匠の正式な印が押された、ナラク戦え、としか書かれていないが間違い無く本物の書状。それを見たナラクは
「もしかして師匠の知り合いだったりする?」
驚かず至って冷静。それにラダンは
「呑み仲間だ。今回の決闘を逃がしたくなければ持って行けってな」ふんぞり返る。
ナラクはこの頃顔も見に行ってない師匠の顔を思い浮かべる。ここまで不機嫌なのも珍しい、そんな師匠の顔も立てなかったら何かしらして来る。
ナラクは仕方なく立ち上がる。そこにラダンが
「待て!指環は外してもらう」生意気な馬鹿だが賢明な命令。
それにナラクは「何で?」と訊く。
「聞いていたぞ、その指環は能力の底上げが出来ると。しかもお前はそれを四つも身に着けている。これは明らかな反則。つまり今後一切俺と関わりたくなければ外せ」ラダンの揺さぶりにナラクは四つ全ての指環を外しゲスト席用の小さな机に置く。その上でナラクは周りに告げる。
「この指環に触れようとしたら食われるから」
そうしてここの守衛に案内をさせてラダンの待つ決闘場にナラクは足を踏み入れる。
ラダンはその姿に内心嗤っていた。もうこの時点で自分の勝利を確信。だが念には念を入れる命令。
「そうそう魔力も使うなよ」
これには会場は怒りを表すがナラクは
「構わないぜ、じゃあ折角司会者とゲストがいるんだ。ついでにこの決闘とやらの解説頼むぜ。ムナ」呼ばれた司会者は宣言「始め!」
ラダンは宣言と同時に剣の騎装を出現。ナラクの首を襲うがいつの間にか出していたエナジーソードで受ける。これにラダンは驚く。会場もムナもキネル、そしてポトアが一番信じられない!騎装はエナジーウェポンで受けるには相手と相当な力の差がなければ出来ない。更に騎士でも識騎士でもなく聖騎士の騎装をエナジーウェポンで受けるなど本来はあり得ない!それをナラクは軽々とやってのける。これこそ神業!
ラダンは次々に斬撃を繰り出すが全て防がれる。ナラクは一歩だけで充分な距離を稼ぎエナジーアローを八連射。一発一発が騎装の剣を削る。仕方なくラダンは盾の騎装を出現させたが防げたのは三発のみで残りの一発が左肩を掠っただけで強い痛みが全身をはしる。次の攻撃に備えようとナラクを見るとつまらなそうな顔を浮かべて笑う。
「全く馬鹿としか言いようがないね。魔力を使わない魔導師に負けたらいい笑い者の出来上がりだな。そうなりたくなきゃもっと頑張んな」
ラダンはぐうの音も出ない。そう目の前にいる魔導師は本当に魔力を全く使っていない。なのに押されているのはラダンの方。これ以上の失態を防ぐためラダンは一つの切り札を使う。
〈全身騎装〉
頭から足裏まで覆う全身鎧。各々の騎装が互いを高める代物で新しく出現させた剣の力を三倍にする程。
ようやく遊べる状態になったラダンを見てナラクは内心舌舐めずり。ナラクは
〈エナジーソード×エナジーソード〉を展開。
ラダンは一気に剣の間合いを詰め胴斬り。ナラクはすんなりソードで受け止める。ラダンは意味不明。どうして防げるのか皆目見当がつかない。キネルとポトアはゲスト席に座って見ているのでナラクがエナジーソードの重ね掛けをしている。だが全身騎装状態の襲撃を防げる代物ではない。なのにナラクは防いで見せている。正直二人でも理解出来ない。エナジーとは魔導師なら魔力、神の位なら神気、騎士なら騎装を使う為に必要なエネルギーであり基礎でしかない。エナジーと騎装では威力の比較すら出来ない程に力の差がある。なのにナラクはエナジーで騎装を受け止めている。というか既に死んでいるのが本来あるべき惨状。なのにナラクは今エナジーソードで騎装の剣による斬撃を防いでいる。だからこそキネルはボロっと声を出す。
「何でナラクは今も生きてるんだぁ?」
ポトアも「私には説明出来ません」同意見。
ムナは二人が心の底から言っているのが伝わって来る。それでも解説はいる。ムナは二人に檄を飛ばす!
「何ほうけてるんですか。私では今何が起きてるか説明出来ないんですから何かそれっぽい解説をお願いします!」
キネルは今の胸中を語る。
「あいつが強いのは知ってるんだよ。だが何であそこまで強いかは疑問だった。そこにあいつの指環が能力の底上げされるって聞いてな。ああ指環の力で強いんだなぁと納得してたんだよっ。なのにあいつはその指環をせずに聖騎士相手に互角以上に戦えてる。しかも魔力も使わずにだ。こんなもんただの怪奇現象なんだよ!いいか?あり得ねぇんだ!それを解説しろ?だったら今これを解説出来る奴っ連れて来い!」
キネルの圧力にムナは怯える。助けをポトアに求めるがその識騎士は首を横に振る。そこにナラクの声。
「どうした?さっきから攻めが雑になってるぜ。それで俺の命は狩れないぜ。ほらさっさとその腰に差してる騎装を使えよ!それとももう俺が勝ちを貰うぜ、良いのかそれで?」
安い挑発をしたナラクは内心飽きていた。これ以上この聖騎士に時間を使うのは勿体ないとも考えていた。ラダンは明らかに様子が変わったナラクに気圧されていた。距離を置いたラダンは剣の騎装を騎装入れと呼ばれる騎士が最初に習う術の中に納める。そして気合を自分に入れる!
「そんなに見たいなら見せてやる。これが俺の切り札だ!」
腰の騎装を抜いた。するとその騎装は場を支配しようとするがナラクには通じない。キネルは支配されないようにするので精一杯だがポトアは理解。ポトアが叫ぶ!
「金色騎士の騎装!そんなもの、どうやって手に入れたのラダン!」
ポトアの叫びに観衆は?キネルは問う。「まさか聖騎士の上の金色騎士か?」「そうですキネルさん 、あれはこの場にあってはいけない代物です。ナラク逃げて!」
ナラクは歪んだ笑みを浮かべながら
「なんだよ。そんなオモチャ持ってたなら最初から使えよ。今抜かなかったら腕の一本ぐらい貰うところだったぜ。さあ続きを始めようぜ」
左手で、来いよ、と挑発。
ラダンは一撃で決めに行く〈レイスラッシュ〉
その聖騎士の一撃はナラクを両断出来る回避はほぼ不可能。それを読んでいたかのようにナラクはエナジーフィールドを左手から発動。〈レイスラッシュ〉を完全に受け止めその一撃を粉々にする。右手は一瞬だけエナジーソードの重ね掛けを消し、あるエナジーウェポンを発動した。それは金色騎士の騎装、完全騎装を真っ二つ。ラダンの肉体は無傷だがダメージは食らった。その場に沈むラダン。第二闘技場にいた者達、キネル、ポトアも含む全員が混乱混乱!
辛うじてポトア。
「ナニガオキタノ?」
それは全員が知りたい!それを唯一知る存在がラダンに近寄り金色騎士の騎装を見る。
「全くあんたも散々だったな。こんな奴に使われたら力の五分の一も引き出させてなかったな。お疲れさん」ナラクは魔力を使い金色騎士の騎装を転移。自分もさっきまでいた自分のゲスト席に転移。座り自分の指環を身に着けていく。そこでようやくムナは声が出る!
「何をしたのかの説明をお願いしますナラクさん」
ナラクは第二闘技場の鎮まりに気付く。
「説明?何だそれ?どうした?これから葬式でも始めるのか?あの聖騎士は死んでないから不要だぞ」「そうではありません!どうしてナラクさんは何食わぬ顔してられるんですか?」「何って片付けたからだろ、バカを」「そうではありません!どうやって勝ったんですか?」「こんな特等席に座ってんのに?」「そんなの関係ありません!とにかく解説をお願いします!」「解説ぅ?後で解析でも頼めよ」「あなたは解説の為にここに呼ばれたんですからちゃんと働いて下さい!」
そこまで言われてナラクは「どこから解説が必要なのかを教えてくれ?」呆れ顔。
そこに意識を取り戻したポトアが「どうしてエナジーウェポンで聖騎士の騎装と互角以上に戦えたんですか?」第二闘技場皆の代弁。
ナラクは「そこからかよ」呆れる。ポトアは「仕方ないんです。私達の中では意味不明なんですよ。だってエナジーウェポンで聖騎士騎装と戦えるなんて外で言っても誰も信じませんよ
。だから詳しく教えて下さい!?」
ナラクはこの状況に身に覚えがある。エナジーで騎装に勝てる訳が無いという頭でっかちな発言。ここにはそれしかいないのかとまた呆れる。なので一応答える。
「騎装と同じでエナジーも鍛えられるんだよ。それで俺のエナジーは聖騎士ぐらいなら訳ないぐらいに鍛えてるんだよ」
ポトアも皆も信じられない!確かに騎装は鍛えられる。だがエナジーも鍛えられるのは知らないし、鍛えて騎装との力の差を埋めるどころか上回って見せるのはどう考えても狂っている!
その様を見てナラクは「じゃ、もう良いよな」と言って帰ろうとする所を今度はキネルが引き留め、口を開く。
「互角に戦えたのはもうそれでいい。だが最後のだ。金色騎士の騎装から繰り出された技を防ぎ騎装を完全に真っ二つにしたこの二つはどうやったらああなる?はっきり答えろ!」
「エナジーフィールドで防いでエナジーセイバーで真っ二つにした」ナラクは簡単に答える。
その答えにキネルだけでなくポトアも固まる。ムナはその二人を見てあたふた。それに気にせず「じゃ、俺はこの辺で」帰ろうとするナラクの左手を握るポトアは訴える。
「待って下さい!何故騎装だけを斬れるんですか?」「エナジーセイバーをモノにしてれば誰でも出来る芸当だよ。後あの聖騎士はダメージは食らってるぜ。そうしないと終わらなそうだったからな」握られた手を解きナラクは転移。その場はしばらくの間鎮まりかえるしかなかった。
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