社史(創業者の手記)

(前略)


 さて、我が社の基幹事業であるxxxxについて語るならば、まず私の幼少期についても語らねばなるまい。

 私は大正xx年xx県にある農村に、三男坊として生まれた。


 (中略)

 

 ――矢中田家は地元では大きな農家をしていて、たくさんの米を育てていた。私は幼い頃から


 (中略)


 ――そんな幼少期において、最も色濃く記憶しているのは私の母、矢中田雪子のことである。


 (中略)


 ――そんな母は、まさに良妻賢母。家庭にも家業にもなくてはならない人だった。


 (中略)


 ――のときも、あじゃさま、あじゃさまと甘ったれる私を優しい手で慰めてくれた。


 (中略)


 ――私が礼子と結婚して、子をもうけてからは、模範的な姑、優しき祖母として、


 (中略)


 ――彼女は私達を、家族を本当に愛していた。


 (中略)


 ――恥ずかしながら、私は喜寿を迎える今でもなお、商売における大きな局面を迎えた際は、彼女の「大丈夫ですよ」という声を思い出しながら、自らを奮い立たせているのである。


 (後略)

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