第14話 邂逅
私はこの『現実世界』の人間じゃない(だって一般的な“人間”だったらこんなにも長い耳はしてないしぃ?その事はケントからも
私には『あるじ』と言うのがいて、その『あるじ』のしている
その作業内容と言うのが―――まあ
で
私が
しかも
すると、【奈落をも喰らう“闇”】からは…
『え?でも私達の役割は飽くまで『監視と調査』だったよね、それを君が持ち前の正義感を出してその人を殴っちゃったんだから私にもどうする事も出来ないよ?』(※そしてこの言葉は盛大に発言者に“ブーメラン”となって返って来るのであった)
ま、まあーーー…“ぐぅ”の音も出ないと言ってしまえばそうなんですけど、しかしねえ?見ず知らずの女に“ぐぅ”で“パーンチ”かまされた日にゃ、『
『今までぼくの事を誰も
なんだ?こいつ…少し強めに(頭を)殴り過ぎたか? けれど結局は私の“夫”(『セシル』)と結婚しちゃった訳なんだが―――
まあーその経緯を説明するため、私の相棒に相談しようとしたところで以前の“塩”な対応されるのが判ってたため、『あるじ』に相談したわけなんだが、その『あるじ』も―――
{ふむ、ならば丁度よき機会だ、お前自身が王室に潜り込み最近
なんだよ、結局私に丸投げかいいいぃ~! まあーーー先に手ぇ出しちゃった私の責任でもあるんだけどもね?(トホホ)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
それはそれで問題解決―――になるものかと思いきや、私にあんな告白かましてくれたもんだから、さぞかし私の
それが結果『王侯貴族』共にとって私は危険人物に指定されてあの手この手で私を排除しようと試みるのですが―――私にとっちゃあ~『正当防衛成立!』みたいなもんなんですわな?これが!(たいへんおいしくいただかせて頂きました!)
けれどそれはそれで連中の怨みや辛みを
まあ相談持ちかけた処で不正貴族共と
てか何やってんだよ相棒―――
で
行く行くは相棒が統治者の座に収まるものだと思ってたのに収まらない……どころか、『私はそんなつもりで
「その様な言い分は認められません、だと言うならどうして時の政権に対して物言いをつけ、
たは~言ってやったよ!言ってあげましたよ! どおーだい相棒、あの時私に向けて吐いた言葉が巡り巡ってあんたに投げ返された気分わ!
けど…その
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とは言えケント達の現実世界に
私の第一接触者である『山本健闘(ケント)』は、性格が少々暗めで消極的な面はあるものの、また違った場所では自分の主張を激しくする、ちょっとは興味の対象となる面白い子だった。
そのケントの事が好きなんだけれども、どうしても好きとは言えない幼馴染みの彼女『高坂瑠偉(嫁ちゃん)』、そのケントと嫁ちゃんが一緒になってプレイをしている『プログレッシブ・オンライン』と言うオンライン・ゲームを作成した会社『トリプルブリッヂ・コーポレーション』のご令嬢である『三橋京子(みっちょん)』、実は最近私も『プログレッシブ・オンライン』を始めたんだけれど、しばらくプレイしていてある“異状”に気付いたのだ。
ケントや嫁ちゃんによれば元々こう言った『オンライン・ゲーム』と言うのは、『
* * * * * * * * * * * * * * * * *
そおー言うーワケで、私の
それというのもケントや嫁ちゃんが言ってた通りだったなら、“作り物”の世界で感じなかった感覚が感じてしまっている…それは現実世界で私達が暮らしている日常の様に―――
それにコレ…なにも『VR機器』を介しての“ダイブ”とは訳が違う、そう、言わばみっちょんが言っていた容疑者なる者が仕掛けた代物、つまりあたかも“ヴァーチャル”な世界に“ダイブ”させたように見せかけておいて、そいつに都合のいい場所―――言及まではしたくはないがこの現実世界とはまた別の異世界空間としておこうか…そこに迷い込ませた。 そう言う事だ、その容疑者とやらはこの現実世界の人間なんかじゃない、いわゆる“神”の息がかかった
〖ほう、“不純物”がいるようだな。〗
「この私にちょこまかと動き回られてさすがに鬱陶しいと思い始めたか、けど―――本当の正解はこの私が諦めるまで大人しく待つ、だったものなのにねえ~?それがあんた自ら出ちゃったって事は辛抱が足らなかったみたいだな。」
〖ふん…不愉快な、減らず口を叩くではないわ!〗
「それよりあんたは“誰”の所属? この様子だと『夢』を司ってるところか…或いは『遊戯』―――」
〖貴様何者だ…?少なくともこの現実世界の人間ではないな。〗
「半分だけ正解―――とだけ言っておいてあげよう…私は、『天空』が所属の【閉塞した世界に躍動する“光”】。」
〖なに?! あの『天空』の!〗
「くっくっく―――抵抗してもいいんだぜえ~?どうせ捕まったら洗いざらい喋ってもらうんだからさあ…だあーからあ! すぐさま白旗なんざ上げさせやしないよ!」
ま、容疑者の方は難なく確保―――しっかしこいつ、自分が捕まってもいいように種を蒔いていやがったとはねえ~?まあーその辺はぼちぼちやりますか…
◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一方“オレ”は“コネ”からの依頼を進行していた―――進行していた…のだが、なぜだが急に“違和”が消えた?
こりゃまた、はてさてどうしたもんじゃい?―――と思ってた矢先、また別の“違和”を感じたのだ。
おいおいおい―――これってどう言う事?もしかして単独犯じゃなかったとか?複数がグルになってるって言うんなら最初に言っといてくれよ…
けれど、その“違和”は大したことはなかった、あるぇ~?これってひょっとして、もしかしなくっても主犯格がとっ捕まった時に『イタチの最後っ屁』の如くにかます
まあーったく、“オレ”の身にもなってみろってえー、こんなお
と
そう思いかけた処で“オレ”達は邂逅を果たすのだった。
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その頃僕達は三橋さんの発言を受けて既に先行して調査を敢行しているヒルダさんとはまた違った視点からの調査を行っている。
それに僕や瑠偉ちゃんが感じていたように例の危惧が現実のものとなろうとしている…?
『例の危惧』―――そう、仮想の世界なのに(ほぼ)現実の世界と同じになってしまって、
どうしてそう言う事になってしまったのか―――どうしてこんな事になってしまったのか―――あの作品でも僕達の現実でも原因の
それはそれでいいのだが―――実は今ちょっとした問題を抱えちゃっているのだ。
その原因はたった1つ…いや“1人”と言い換えようか……三橋京子ぉぉ~、お前の
ではどうして僕がこんなにまで三橋京子に恨み節炸裂なのかといいますと―――前回までで『
実はあの後―――
『⦅そう言えばさあ~ダァーリーン、あのキャラ使わないワケぇ?⦆』
『⦅三橋さん…いい加減『ダーリン』呼び、止めて貰えないかな…って、何度言わせりゃ判るんだよ!⦆』
『⦅じゃさ、『ケンち』でいい?⦆』
『⦅そ…その呼び方は―――⦆』
『⦅いいじゃんよね?別に、『ダーリン』じゃないんだからサ キャハハ☆⦆』
ちょっと“ノリ”の軽い感じがする『ギャル』な財閥ご令嬢…しかし僕は知っている、学校内や普段づきあい(ネットゲーム含む)では『ギャル』な彼女でも、社交的な場所に出ればまさにご令嬢泰然としている事を(まあ同時期にはあのヒルデガルドさんが本当に一国の王のお后様だと言う事を知らしめさせられたものですが)。
しかし僕が困っている事の一つと言えば、三橋さんとヒルデさんとが結託して、三橋さんの『お見合い話し』をぶち壊すために、『実は今現在三橋家のご令嬢には懇意にしている相手がいる』と言う小芝居を仕込ませる為に僕と言う人間を
『⦅あのさ、一つ聞いていいかな―――三橋さん⦆』
『⦅ん~?どうしたん、るいっち⦆』
『⦅確か以前あなた言っていたわよね、健くんのサブの事を⦆』
『⦅ああ~言ってたね~それがどうしたってぇ?⦆』
『⦅私もあなたのスマホの動画を見ただけでしかなかったんだけど、そのキャラどう言う感じだったの?⦆』
『⦅フフゥ~ン…カッコよさげだったよォ~?うちはその時まで“厨二”てのを全く理解出来てなかったけど、あン時のケンちにはシビレたねえ~?まあね、確かに言動は痛々しかったよ―――けどね、うちを助けてくれたシチュがミョーにマッチしててさあ~♡⦆』
『⦅なるほど…つまりそう言う事か―――⦆』
『⦅え…『そう言う事か』ってどう言う事かなあ?瑠偉ちゃん…⦆』
『⦅三橋さんが惚れ込んでる健くんと言うのは、その厨二キャラなんじゃ…って思って⦆』
(多分)つまりはそう言う事だ―――三橋さんは例の一件だけだったら僕の事なんて構ってやしない…けれど
何故に僕は、僕の秘密を知ってしまった幼馴染みに、こうも悩ましげなのだろうか―――その理由は単純かつ明確なものである…そう、僕の幼馴染み“様”こと高坂瑠偉は、ネットの投稿サイトでも有名な作家の一人『いぶりがっこ』でもあるのだ。
しかもその作風は(性に関しても)割と際どい所をギリギリついてきており、『百合』なモノや『ガ●ホ●』なモノまであるのだ。 しかしここ最近はスランプに陥っていらっしゃったみたいで…そこを三橋さんから“いいネタの提供”を受けたというか―――
『⦅さすが…センセと言った処だね、確かにそうだけどさ、るいっちがちょー有名なセンセだと判った日にゃ、ケンちのサブがどう動くか気にはなってるってところなんよ⦆』
『⦅―――と、言う訳で早速なってもらえないかな、健くん⦆』
うん…『と、言う訳で』って、どう言う訳でそう言う風になるのか僕には判らないな。 けれど僕には―――断る勇気がない!それに断る動機も見つからない!!
な―――わけで…なすがまま、なされるがままになりましたさ、僕の『黒歴史』に…
* * * * * * * * * * * * * * * * *
「フッ―――全く、我輩と言う存在は封印していたと言うに…騒がしい事よ」
「ダレイオス卿、あなた様の
「よい―――ミザリア、改まっての報告なぞ堅苦しいものよ、棄ておくがよい」
「キャーーーヒャーーーカッコイイーーー!やっぱ厨二キャラってサイッコーだわ!」
「あのぉーーー 恥ずかしいから止めて…と言うより“
「それよりどーよ、うちも研究を重ねて『聖女』キャラに寄せてみたんだけどさ」
「(研究を重ねてキャラに寄せるって…)あのぉーーーね?」
「うんっ!
「ちょっと2人共、もう少し考えてチャットしようよ!今と言う状況判ってる?『白チャ』なんだよ、今は近くに
「そーゆーケンちもノリノリだったジャーン」
「それにさ、私も今のキャラ建てで少女のような喋り方は似合っていないとは思うわよ、けれどそれが出来るのも周囲に
僕は、“メイン”で動かしていた『トラビアータ』から、“サブ”の『ダレイオス』にチェンジする為、彼女達と組んでいたPTを一旦解消した、そして『ダレイオス』として振舞った後2人が評価したのだ、けれどそのやり取りは先程までのPTじゃない…発言をすればそのままが流れるという『白チャット』だったのだ。
僕としては僕自身の事もあるけれど、彼女達の事を思って注意をしたものだったが―――こう言ったオンライン・ゲームでは上級者でもある瑠偉ちゃんは周囲の環境にも気を付け、大丈夫だったからオープンな発言をしてもOKだと思ったのだろう…
だけど、その前提が間違っていた―――
突如として、誰もいないと思われていた場所から“拍手”が……
「いゃあーっはは、イイネえ~いや実にイイよ」
「だっ、誰だ手前ぇは!」
「おや、おやおや―――別にいいんだぜえ~?もうキャラ作らなくっても、そこの“ガチムチな髭面中年男”の
「あなた…一体
「で―――そちらは“慎ましやかな聖女キャラ”を売りに出してるギャル…ってところか」
「…貴様―――」
「そして手前ェ…なんだか手前ェは懐かしい臭いがするなあ?そう…且つての“オレ”がそうだった―――」
「貴様…もだ、と?」
「ああ、そうさ “オレ”も一時代を築き上げた事がある“強者”なもんでね…まあ手前ェみたく“厨二”じゃあなかったが」
今更瑠偉ちゃんの弁護をするわけじゃないけれど、ここには誰もいない事は僕も認識をしていた。 認識をしていたからこそ早急にPTを組まなかったのだ、それは僕のミスだ―――こういうこともあろうかと、危機を管理をしなかった僕の落ち度でもあるのだ。 それがなにもなかったところからひとつの“拍手”が鳴らされた―――
そう、『
『“拍手”を鳴らす』と言う事は一部始終を見ていないといけない、現に“その男”は『マクドガル』と『ミザリア』の正体を看破した―――それは
それにしても僕と瑠偉ちゃんの2人が見逃す様な技術を、“その男”はどこで身に付けた?それにその技術とは一体……
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