第14話 邂逅

私はこの『現実世界』の人間じゃない(だって一般的な“人間”だったら長い耳はしてないしぃ?その事はケントからもうながされたため、今の処は“魔法”で隠蔽いんぺいしてるってことです…てかそう言えばこの『現実世界』には“魔法”なんてなのもないんだってなあ?不便だわあーーーこりゃ)。

私には『あるじ』と言うのがいて、その『あるじ』のしている事業ことを充たすために、『あるじ』が創造した“特別な区画”で相棒の【奈落をも喰らう“闇”】と共同で作業をしていた。

その作業内容と言うのが―――まあていの好い言葉で言ったら『監視と調査』だね、それで最初の内は“特別な区画”で暮らしている連中も素直で純朴そのものと言った処だったのだが、次第に時間が経るにつけよこしまな考えを持つ者や自己中心的な行動を起こす者が増えてきた。 それがまあ『一般庶民』とかなら彼らを管理する立場の者がどうにかすればいい―――ってなわけなんだが…その一般庶民を管理する立場の『王侯貴族』共が感化されてきてしまい、ある時とうとう私の堪忍袋の緒が切れた…(まあ~そのあと【奈落をも喰らう“闇”】からはお説教されたけどもさ)


                  で


私が鉄拳制裁加えたぶち殴った『王侯貴族』が、反省するものかと思いきや―――なんとこの私に求婚のプロポーズをしたのだ(それが私の“夫”なわけなんだが)。

しかも私の夫そいつ、一国の王様だったみたいで自然と私も『お后様』になっちゃって…それでこりゃどうすべえかと【奈落をも喰らう“闇”】に相談持ちかけたワケだ。

すると、【奈落をも喰らう“闇”】からは…


『え?でも私達の役割は飽くまで『監視と調査』だったよね、それを君が持ち前の正義感を出してその人を殴っちゃったんだから私にもどうする事も出来ないよ?』(※そしてこの言葉は盛大に発言者に“ブーメラン”となって返って来るのであった)


ま、まあーーー…“ぐぅ”の音も出ないと言ってしまえばそうなんですけど、しかしねえ?見ず知らずの女に“ぐぅ”で“パーンチ”かまされた日にゃ、『王侯貴族そうした連中』はキレ散らかして処刑とかするもんじゃないの? それを…


『今までぼくの事を誰もとがめなかった―――ぼくが王家の人間である事に誰もがおびえ、いさめてくれる者はいなかったのだ…ああ~それを―――我が愛しの君よ、どうかぼくの妻となってくれ、そして健やかなる時も病める時も常に側にいてくれ、ぼくのやっている事に間違いがあると気付いた時にはそれを強くいさめてくれ…』


なんだ?こいつ…少し強めに(頭を)殴り過ぎたか? けれど結局は私の“夫”(『セシル』)と結婚しちゃった訳なんだが―――


まあーその経緯を説明するため、私の相棒に相談しようとしたところで以前の“塩”な対応されるのが判ってたため、『あるじ』に相談したわけなんだが、その『あるじ』も―――


{ふむ、ならば丁度よき機会だ、お前自身が王室に潜り込み最近増長ぞうちょう気味な『王侯貴族』共をらしめてやりなさい}


なんだよ、結局私に丸投げかいいいぃ~! まあーーー先に手ぇ出しちゃった私の責任でもあるんだけどもね?(トホホ)


  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


それはそれで問題解決―――になるものかと思いきや、私に告白かましてくれたもんだから、さぞかし私の手助け味方をしてくれるものかと思っていたら、私がある『王侯貴族』の不正を暴いた時でも援護射撃をするどころかガン無視決め込みやがるし…あん時の告白はどこ行ったんかい~!と内心怒り心頭になる中で私は独自の判断を以てその不正貴族を裁いたものです。


それが結果『王侯貴族』共にとって私は危険人物に指定されてあの手この手で私を排除しようと試みるのですが―――私にとっちゃあ~『正当防衛成立!』みたいなもんなんですわな?これが!(たいへんおいしくいただかせて頂きました!)


けれどそれはそれで連中の怨みや辛みをつのらせるばかりでして、それで一層のせめぎあいともなったのですが、その辺も軽く収めさせて…とは言っても実際気が滅入る事でもあったわけで、その気分転換にと近くの森で魔獣狩りを愉しんでいたところに、『あるじ』が私に相談もせずにケント達の『現実世界』に転送とばしやがったと…

まあ相談持ちかけた処で不正貴族共と喧々諤々けんけんがくがくしてたわけで、てなわけで了解・承諾得られないもんだと思ったんだろうな、だあーったらあー私の相棒もいるのに…とは思ったんだけど、そう言えば同時期に、この“特別な区画”全体の統治者が悪政・苛政かせいを始めたって事で私の相棒(と、その仲間達)が叛乱を起こして統治者を倒しちゃったんだな?

てか何やってんだよ相棒―――


                  で


行く行くは相棒が統治者の座に収まるものだと思ってたのに収まらない……どころか、『私はそんなつもりで叛乱を起こした立った訳ではない』だとぉ~? 面白い事言うじゃんね?私の時には事言ってくれたくせに…あーそうですかい、そっちがそのつもりなら私だって考えがあるんですぜ?


「その様な言い分は認められません、だと言うならどうして時の政権に対して物言いをつけ、弑逆しいぎゃくの大罪を果たしたのか…わたくしも彼の者が『取って代われる』ならばと黙認しただけ、ならば弑逆しいいぎゃくしたるは如何様いかようなるかを下々しもじもの者達に向けて説明すべきではありませぬか。」


たは~言ってやったよ!言ってあげましたよ! どおーだい相棒、あの時私に向けて吐いた言葉が巡り巡ってあんたに投げ返された気分わ!

けど…そのあおりを喰らって私がケント達の現実世界に転送かい―――悪い事は出来んよな。


  * * * * * * * * * * * * * * * * *


とは言えケント達の現実世界に転送とばされたとはしたところで、そんなには悪い気はしなかった。


私の第一接触者である『山本健闘(ケント)』は、性格が少々暗めで消極的な面はあるものの、また違った場所では自分の主張を激しくする、ちょっとは興味の対象となる面白い子だった。

そのケントの事が好きなんだけれども、どうしても好きとは言えない幼馴染みの彼女『高坂瑠偉(嫁ちゃん)』、そのケントと嫁ちゃんが一緒になってプレイをしている『プログレッシブ・オンライン』と言うオンライン・ゲームを作成した会社『トリプルブリッヂ・コーポレーション』のご令嬢である『三橋京子(みっちょん)』、実は最近私も『プログレッシブ・オンライン』を始めたんだけれど、しばらくプレイしていてある“異状”に気付いたのだ。


ケントや嫁ちゃんによれば元々こう言った『オンライン・ゲーム』と言うのは、『現実リアル』とは違う『仮想ヴァーチャル』の世界であって、だからこそ『飲食をしても味は感じられない』、『臭いなどもしない』、『傷を負っても痛みは感じない』、『だからこそ死ぬ事なんて有り得ない』…それが常識であって実際に起こり得るだなんて有り得るはずもない―――けれど“あった”…それがどのタイミングかは判らないけれども、私が“異状”を感じた時には確かに“あった”のだ。 それまで『有り得ない』とまでした現象が。


  * * * * * * * * * * * * * * * * * 


そおー言うーワケで、私の親友マブでもある“みっちょん三橋京子”の一世一代を賭けてくれた告白に感化されて、『もしかすると潜伏してるかもしれないて言う問題性のあるプログラム』の調査を行ってたんですが―――て言うより問題発生だわ、こりゃ…


それというのもケントや嫁ちゃんが言ってた通りだったなら、“作り物”の世界で感じなかった感覚が…それは現実世界で私達が暮らしている日常の様に―――

それに…なにも『VR機器』を介しての“ダイブ”とは訳が違う、そう、言わばみっちょんが言っていた容疑者なる者が仕掛けた代物、つまり“ヴァーチャル”な世界に“ダイブ”させたように、そいつに都合のいい場所―――言及まではしたくはないがこの現実世界とはまた別の異世界空間としておこうか…そこに迷い込ませた。 そう言う事だ、その容疑者とやらはこの現実世界の人間なんかじゃない、いわゆる“神”の息がかかった従属者私と同類?!


〖ほう、“不純物”がいるようだな。〗


「この私にちょこまかと動き回られてさすがに鬱陶しいと思い始めたか、けど―――本当の正解はこの私が諦めるまで大人しく待つ、だったものなのにねえ~?それがあんた自ら出ちゃったって事は辛抱が足らなかったみたいだな。」

〖ふん…不愉快な、減らず口を叩くではないわ!〗

「それよりあんたは“誰”の所属? この様子だと『夢』を司ってるところか…或いは『遊戯』―――」

〖貴様何者だ…?少なくともこの現実世界の人間ではないな。〗

「半分だけ正解―――とだけ言っておいてあげよう…私は、『天空』が所属の【閉塞した世界に躍動する“光”】。」

〖なに?! 『天空』の!〗

「くっくっく―――抵抗してもいいんだぜえ~?どうせ捕まったら洗いざらい喋ってもらうんだからさあ…だあーからあ! すぐさま白旗なんざ上げさせやしないよ!」


ま、容疑者の方は難なく確保―――しっかしこいつ、自分が捕まってもいいように種を蒔いていやがったとはねえ~?まあーその辺はぼちぼちやりますか…


  ◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


一方“オレ”は“コネ”からの依頼を進行していた―――進行していた…のだが、なぜだが急に“違和”が消えた?

こりゃまた、はてさてどうしたもんじゃい?―――と思ってた矢先、また別の“違和”を感じたのだ。

おいおいおい―――これってどう言う事?もしかして単独犯じゃなかったとか?複数がグルになってるって言うんなら最初に言っといてくれよ…

けれど、その“違和”は大したことはなかった、あるぇ~?これってひょっとして、もしかしなくっても主犯格がとっ捕まった時に『イタチの最後っ屁』の如くにかますたぐいのヤツぅ?

まあーったく、“オレ”の身にもなってみろってえー、こんなお遊戯あそびに付き合ってられるほど“オレ”も暇じゃない―――


                 と


そう思いかけた処で“オレ”は邂逅を果たすのだった。


   * * * * * * * * * * * * * * * * *


その頃僕達は三橋さんの発言を受けて既に先行して調査を敢行しているヒルダさんとはまた違った視点からの調査を行っている。

それに僕や瑠偉ちゃんが感じていたように例の危惧が現実のものとなろうとしている…?

『例の危惧』―――そう、仮想の世界なのに(ほぼ)現実の世界と同じになってしまって、ついには死人が出るようになってしまった『二次創作作品』と同じ様になってしまう…

どうしてそう言う事になってしまったのか―――どうしてこんな事になってしまったのか―――あの作品でも僕達の現実でも原因の究明きゅうめいには至っていない、しかしこれは究明きゅうめいはされないまでもその一助いちじょと成れるようにする前段階的なものだと僕は思うにしている。


それはそれでいいのだが―――実は今ちょっとした問題を抱えちゃっているのだ。

その原因はたった1つ…いや“1人”と言い換えようか……三橋京子ぉぉ~、お前の所為せいだよ!

ではどうして僕がこんなにまで三橋京子に恨み節炸裂なのかといいますと―――前回までで『トラビアータ』『マクドガル瑠偉ちゃん』『ミザリア三橋京子』の3キャラがPT組んでたって処まではいいですかね?


実はあの後―――


『⦅そう言えばさあ~ダァーリーン、使わないワケぇ?⦆』

『⦅三橋さん…いい加減『ダーリン』呼び、止めて貰えないかな…って、何度言わせりゃ判るんだよ!⦆』

『⦅じゃさ、『ケンち』でいい?⦆』

『⦅そ…その呼び方は―――⦆』

『⦅いいじゃんよね?別に、『ダーリン』じゃないんだからサ キャハハ☆⦆』


ちょっと“ノリ”の軽い感じがする『ギャル』な財閥ご令嬢…しかし僕は知っている、学校内や普段づきあい(ネットゲーム含む)では『ギャル』な彼女でも、社交的な場所に出ればまさにご令嬢泰然としている事を(まあ同時期にはヒルデガルドさんが本当に一国の王のお后様だと言う事を知らしめさせられたものですが)。

しかし僕が困っている事の一つと言えば、三橋さんとヒルデさんとが結託して、三橋さんの『お見合い話し』をぶち壊すために、『実は今現在三橋家のご令嬢には懇意にしている相手がいる』と言う小芝居を仕込ませる為に僕と言う人間を人身御供ひとみごくうとしてまつり上げたのだ。 しかもこの設定がこの後も生き続けていて三橋さんは事あるごとに僕の事を『ダーリン』と…もぉぉ~止めてくれないかな―――財閥のご令嬢の相手に相応しくないのはこの僕が好く判っていると言うのに、それに……なぜかしら瑠偉ちゃんからの視えないプレッシャーに僕のメンタルがゴリゴリと削られてくるのが判る―――


『⦅あのさ、一つ聞いていいかな―――三橋さん⦆』

『⦅ん~?どうしたん、るいっち⦆』

『⦅確か以前あなた言っていたわよね、健くんのサブの事を⦆』

『⦅ああ~言ってたね~それがどうしたってぇ?⦆』

『⦅私もあなたのスマホの動画を見ただけでしかなかったんだけど、そのキャラどう言う感じだったの?⦆』

『⦅フフゥ~ン…カッコよさげだったよォ~?うちはその時まで“厨二”てのを全く理解出来てなかったけど、あン時のケンちにはシビレたねえ~?まあね、確かに言動は痛々しかったよ―――けどね、うちを助けてくれたシチュがミョーにマッチしててさあ~♡⦆』

『⦅なるほど…つまりそう言う事か―――⦆』

『⦅え…『そう言う事か』ってどう言う事かなあ?瑠偉ちゃん…⦆』

『⦅三橋さんが惚れ込んでる健くんと言うのは、その厨二キャラなんじゃ…って思って⦆』


(多分)つまりはそう言う事だ―――三橋さんは例の一件だけだったら僕の事なんて構ってやしない…けれどPKプレイヤー・キラーから『ミザリア三橋さん』を救ってあげた事で僕への好感度が上がってしまったのだろう、しかもその事に気付いたのがヒルダさんだけでなく瑠偉ちゃんまでもかああ~~…

何故に僕は、僕の秘密を知ってしまった幼馴染みに、こうも悩ましげなのだろうか―――その理由は単純かつ明確なものである…そう、僕の幼馴染み“様”こと高坂瑠偉は、ネットの投稿サイトでも有名な作家の一人『いぶりがっこ』でもあるのだ。

しかもその作風は(性に関しても)割と際どい所をギリギリついてきており、『百合』なモノや『ガ●ホ●』なモノまであるのだ。 しかしここ最近はスランプに陥っていらっしゃったみたいで…そこを三橋さんから“いいネタの提供”を受けたというか―――


『⦅さすが…センセと言った処だね、確かにそうだけどさ、るいっちがちょー有名なセンセだと判った日にゃ、ケンちのサブがどう動くか気にはなってるってところなんよ⦆』

『⦅―――と、言う訳で早速なってもらえないかな、健くん⦆』


うん…『と、言う訳で』って、どう言う訳でそう言う風になるのか僕には判らないな。 けれど僕には―――断る勇気がない!それに断る動機も見つからない!!

な―――わけで…なすがまま、なされるがままになりましたさ、僕の『黒歴史』に…


 * * * * * * * * * * * * * * * * *


「フッ―――全く、我輩と言う存在は封印していたと言うに…騒がしい事よ」


「ダレイオス卿、あなた様の威信いしんと言うものは広くネットの民草たみくさに広まっておりました、なれど急にお隠れになったことに伴い、蔭で震えていた不正者共もこうべを上げ、またぞろ弱者達をしいたげる気運が高まって来ておるのです、ですからここは何卒なにとぞ…どうか―――」

「よい―――ミザリア、改まっての報告なぞ堅苦しいものよ、棄ておくがよい」


「キャーーーヒャーーーカッコイイーーー!やっぱ厨二キャラってサイッコーだわ!」


「あのぉーーー 恥ずかしいから止めて…と言うより“ガチムチ髭面中年男そのキャラ”でそのセリフは死ぬほど似あわないよ」

「それよりどーよ、うちも研究を重ねて『聖女』キャラに寄せてみたんだけどさ」

「(研究を重ねてキャラに寄せるって…)あのぉーーーね?」

「うんっ!すっごく良かった!『つて一世風靡いっせいふうびしたことのある強キャラがいつの間にか再臨、それに驚くも待ち望んでいたかのような聖女キャラ』…ふふっ、次回のネタはこれで決まりね!」

「ちょっと2人共、もう少し考えてチャットしようよ!今と言う状況判ってる?『白チャ』なんだよ、今は近くに他人プレイヤーがいないからいいようなものの、先程までの『PTチャット』とは訳が違うんだよ!」


「そーゆーケンちもノリノリだったジャーン」

「それにさ、私も今のキャラ建てで少女のような喋り方は似合っていないとは思うわよ、けれどそれが出来るのも周囲に他人プレイヤーがいない事が判ってて―――」


僕は、“メイン”で動かしていた『トラビアータ』から、“サブ”の『ダレイオス』にチェンジする為、彼女達と組んでいたPTを一旦解消した、そして『ダレイオス』として振舞った後2人が評価したのだ、けれどそのやり取りは先程までのPTじゃない…発言をすればという『白チャット』だったのだ。

僕としては僕自身の事もあるけれど、彼女達の事を思って注意をしたものだったが―――こう言ったオンライン・ゲームでは上級者でもある瑠偉ちゃんは周囲の環境にも気を付け、大丈夫だったからオープンな発言をしてもOKだと思ったのだろう…


だけど、その前提が間違っていた―――


突如として、誰もいないと思われていた場所から“拍手”が……


「いゃあーっはは、イイネえ~いや実にイイよ」


「だっ、誰だ手前ぇは!」

「おや、おやおや―――別にいいんだぜえ~?もうキャラ作らなくっても、そこの“ガチムチな髭面中年男”の姿アバターをしている可愛いお嬢さん」

「あなた…一体何時いつからそこに!」

「で―――そちらは“慎ましやかな聖女キャラ”を売りに出してるギャル…ってところか」

「…貴様―――」

「そして手前ェ…なんだか手前ェは懐かしい臭いがするなあ?そう…―――」


「貴様…だ、と?」


「ああ、そうさ “オレ”も一時代を築き上げた事がある“強者”なもんでね…まあ手前ェみたく“厨二”じゃあなかったが」


今更瑠偉ちゃんの弁護をするわけじゃないけれど、事は僕も認識をしていた。 認識をしていたからこそ早急にPTを組まなかったのだ、それは僕のミスだ―――と、危機を管理をしなかった僕の落ち度でもあるのだ。 それがからひとつの“拍手”が鳴らされた―――


そう、『ここには誰もいないその前提』が間違っていたのだ―――


『“拍手”を鳴らす』と言う事は一部始終を見ていないといけない、現に“その男”は『マクドガル』と『ミザリア』の正体を看破した―――それはあまつさ


それにしても僕と瑠偉ちゃんの2人が見逃す様な技術を、“その男”はどこで身に付けた?それにその技術とは一体……




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る