讃歌

触れたくて汚した 甘い睡蓮の花


改札口の人だかりは気が立っています


邪な欲求で木から降りた猿の名は人間


空模様はいつも晴れやかです


側溝のワタは青白い そら豆が落ちたよう


揺られながら歩く 川沿いの通行路


買ってきた種を枯らす日曜の午後の空気 


昏闇から見つめてくる誰でもない人間の顔


茈色の華 寝室にあるボードレール 自然物の写真


わたしたち狂おしいほど人間 吐き下すほどに動物


今はただは雨を待つ 苦言も呑み下す

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