オープニングアウト

人の悩みに差異はない


同じ肉袋から産まれてきたもの


からからの頭に飛んでくる赤子



邪でありつづけるからこその正義感


喉の奥から湧いてくる思い 熱くて煩わしい


知恵熱と呼ぶにはみじめで


熱いものと一緒に冷たいものまで出てくるのは何故



誰かの話をしようにも


自分がつっかえて黙るばかり


光が眩しくて挙げた手は闇をかきわけるだけで


歓声も笑い声も起きはしない



人以外の話をしようにも


人がつっかえて黙るばかり


泡立つ言葉のそれぞれが


目の前にある排気口に吸い込まれてゆく



仕方がないのさ世界は


自分か固形物ばかりで


滞った粒子を運ぶ理由なんてない


僕はオープニングアウト


人生の前座を間違えました

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