第90話
「俺達が見つけてから、ここまでの時間で、およそ五分くらいだ。
ただし、いつ
大剣使いのカインが、金色のカネモチィー(以下、オオカネモチィー)に攻撃を加えながら言ってくる。
と、その瞬間だった。
「ぎゃあっ!」
突然、弓使いアランが死亡デフォの悲鳴とともに。 私の隣で死亡して死体が地面に転がる。
少し離れた所に、いつの間にか五人のプレイヤー達が居た。
「加勢するわよっ!」
先頭に立つ女性プレイヤーとともに、二人のプレイヤーがコッチに向かって駆けてくる。
後ろに居る、魔法職と思われる二人のプレイヤーの攻撃でアランは倒されたのだろう。
「サクラ! カエデ!は右の奴っ!」
先頭を駆ける女性プレイヤー【ツバキ】が声を上げる。
「おうっ!」
「「「声、野太っ!」」」
サクラと呼ばれたプレイヤーはパッと見、優しい雰囲気を醸し出す、優男風の容貌をしているのだが。
サクラの声を聞いて、名前と容姿とのギャップが有り過ぎる声の野太さに思わず驚愕の声を上げてしまう、私とラクスに
「瞬殺で決めるよっ!」
カエデと呼ばれた、男性プレイヤーは声と容姿が一致している。
などと、私は思ってしまった。
「じゃなくてっ!ダメッ! ストップっ! 攻撃禁止ぃぃっ!!」
私は大声を上げて必死に叫びながら、ツバキに向かって駆けて行くと体当たりを食らわせる。
私の体当たりを受けて、ツバキは転倒する。
それと同時に、私はカエデに攻撃したとされて、私に犯罪者フラグが立ち、ツバキ達から見れば灰色のネームプレートに為る。
★注意★
*灰色のネームプレートのプレイヤーは、犯罪者フラグと言うのが立ち。
*フラグは攻撃を受けたプレイヤーが、パーティー&同盟&連合に居るなら。
*パーティー&同盟&連合のプレイヤー達にも犯罪者フラグを立てたプレイヤーのネームプレートは灰色に見える。
*パーティー&同盟&連合に所属していないプレイヤー達からは普通に白色に見える。
私の突飛ならぬ行動に、唖然となるサクラとカエデ、後方にいるリリオペとヒノキ。
「なぜ止めるっ!?」
起き上がりながら、ツバキが私に問う。
「
今、超レア
だから、対人じゃなくて! 共闘しているのっ!」
私は出来るだけ簡潔に、今の状況をツバキ達に説明する。
その間にも、ガーランド、小次郎、カインの3人が必死に連携を取り、オオガネモチx-を逃さないように必死になって攻撃している。
「
彩に蘇生させて貰ったアランが、いつの間にか弓を構えてスキル発動させている。
アランの放った矢は、ツバキに向かって、その後ろに居たオオガネモチィーに当たりHPゲージを僅かに減らす。
「討伐成功報酬、1人頭500万ゴールドの、レア
協力するか? 邪魔をするか? どうする?」
アランが、挑発するようにツバキに向かって言う。
ツバキは、一瞬だけ考えると。
サクラ、カエデ、リリオペ、ヒノキに視線を送る。
ツバキと視線を交わして、4人とも頷いてみせる。
「協力するわっ!」
4人の了承を受け、ツバキが声を上げて答える。
「連合申請を送るぞ。」
アランが、ニヤッと笑みを浮かべながらステータスウィンドウを開き、ツバキに連合申請を送る。
ツバキは、目の前の連合申請のウィンドウに映る【はい】を押して連合に加わる。
「ギルド:
「同ギルド所属。 サクラ。」
「同じく。 カエデだ」
「リリオペだよ。」
「ヒノキ。」
「推して参るっ!」
サクラの野太い声が響き渡ると同時に、
「
「
リリオペの魔法スキルにより、8本の剣がリリオペの周囲に現れると、全ての剣がオオガネモチィーに向かって飛んで行く。
★
*8本の魔力で出来た剣を具現化させて。 30秒間、敵にダメージを与え続ける。
*消費MP30。 ディレイタイム30秒。
ヒノキと、りりオペの魔法がオオガネモチィーに当たってHPを少しだけ減らす。
「「硬っ(い)!!」」
視界の端に流れる、ダメージログを見て2人が声を揃えて言う。
ヒノキの放った魔法で削ったオオガネモチィーのHPは僅かに〝3〟だけ。
リリオペの魔法で与えたダメージは〝8〟だった。
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