第89話
『加勢する!』
★
*大声で周囲に知らせる事のできるチャットモード。
《えっ……!?》
水無月、ラクス、彩の3人がガーランドの言葉に耳を疑う。
『スマン! 恩に切る! 連合を飛ばす!』
弓使いのアランが、シャウトで言いながら、私たち4人のパーティーリーダーである、私に連合申請を飛ばしてきた。
★連合★
*個人:パーティー:ギルド間で組む事ができる。
*連合に所属すれば、プレイヤー同士が使うスキル(攻撃)に当たり判定(同士討ち:フレンド・ファイヤー)が出なくなる。
*同じ連合にだけ効果があり。 違う連合同士だと攻撃は当たってしまうので注意。
弓使いのアランの言葉通りに、私たちに向かって連合申請が飛んできた。
「
ガーランドが更にスキルを当てて、
「
大剣使いのカインが、
アランの連合申請直後にスキルを放ったために、ガーランドはスキル後の僅かなスキル硬直に入っており、連合に入っていない事になるために、カインの攻撃に巻き込まれてHPゲージを3割ほど削られてしまう。
「ガーランド!」
水無月がガーランドに向かって声をかける。
「スマン!」
大剣使いのカインが、慌ててガーランドに謝罪を入れる。
「早く!連合申請を承諾しろ!」
弓使いのアランが、通常攻撃で
その間に、片手剣使いの小次郎が、「
私は慌てて、目の前に映し出されている、アラン達から飛ばされてきた連合申請のパネルの【OK】を押して受理する。
「どう言う事よっ!?」
「超レアな
小次郎が、
「発生確率〝1億分の1〟の確率で
レア中のレア
通称〝オオカネモチィー〟だ。」
ガーランドが、オオカネモチィーの後ろに回り込みながら言う。
そして、改めて
確かにWebで見た、カネモチィーの色は水色だったのに対して、この目の前の
「討伐成功獲得ゴールドは! 500万ゴールド~800万ゴールドだ!」
オオカネモチィーを、矢で居抜きながらアランが私たちに伝える。
「そんなにっ!」
「持ち切れないでしょ!?」
ラクスの驚きの声に、彩が言葉を被せる。
そう、通常でのプレイヤーが持ち歩けるゴールドの金額は。
「はぁ!? なんだぁっ! 知らないのか!?
ウェイトを超えて、一気に入る討伐報酬金額は小切手で入手できるんだよっ!」
★小切手:
*死亡しても、死体の中に残る事のないアイテム。
*
小次郎が、呆れたような口調で言ってくる。
その間にも、アラン、カイン、ガーランドは金色のカネモチィー。通称:オオカネモチィーに攻撃を加えている。
確かに、それだけのゴールドを獲得できるなら、
ましてや、今は周囲に私たち以外のプレイヤーは居ない。
思わず頬が緩むのが自分でも分かってしまう。
などと、私(水無月)が考えていると。
「言っておくが、1人に付き500万~800万ゴールドだからな。」
弓使いのアランが、金色のカネモチィーに攻撃を加えながら言ってくる。
《えっ……。》
私、ラクス、
「手を止めるな! コイツの討伐には制限時間があるんだっ!
いつ何処で
そりゃ、ガーランドも、突然加勢する訳だ。
争っている場合ではない!
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