第84話

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* 運営からのお知らせ *

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プレイヤー名:イクル様。


貴方は、オリジナルスキルの取得条件を満たしたので。


OSオリジナルスキル取得者ホルダーと成った事を、此処に、お知らせいたします。


引き続き、ULTIMATEアルティメットSKILLスキルONLINEオンラインをお楽しみください。



* * * * *



はっ?俺がOSオリジナルスキル取得者ホルダー?何で?


言っておくが、普通はバードにOSオリジナルスキルは付かないはずだ。


何故かって?武器に装着するウェポンスキルが1つしか無いからだ。




両手持ちヂュラルウェポン

*両手に片手用の楽器を持ち、奏でることができる*


バードが唯一、使うことができるウェポンスキル。


ウェポンスキル同士が進化してできるのがOSオリジナルスキルだ。


そして、取得OSオリジナルスキルを見て更に固まる。


取得OSオリジナルスキル名:複製コピー


スキル効果


パーティー及び、フォースでレイドボスを討伐した際。


パーティー及び部隊フォースメンバーが取得したアイテムを、50%の確率で複製コピーする事ができる。


何を複製するかは運次第。



気分的には、両手を上げて大喜びしたい気分だが。


これ、すらも【間違い】と言う可能性も在る。


ぬか喜びに成る前に、GMコールでGMを呼び出す事30分。


やっと来た・・・・。


GM空間に転送させられる。


 

GM

 「メールを確認しました。」


 「間違いなのですか?」


GM

 「はい、確認致しましたが。貴方で間違いないそうです。」


 「取得条件が判らないのですが。」


GM

 「規則なので、取得条件は教えることは出来ません。」


 「本当に間違いなく、俺で合ってますね?」


GM

 「はい。間違いなく貴方です。」


 「なら。安心しました。お手数おかけしました。」


俺はGMに向かって頭を下げた。


GM

 「引き続き、ULTIMATEアルティメットSKILLスキルONLINEオンラインライフを、お楽しみください。」




そこまで話すと。 俺は一息着く為に、コーヒーに手を伸ばして口に運ぶ。



そして、ステータスウィンドウを開いて、自分のステータスを公開で表示して皆に見せる。



プレイヤー名:イクル


メイン職業:吟遊詩人バード


取得スキル


音楽    100%

扇動    100%

平和    100%

魅了    100%

乗馬    100%

宝探し   100%

魔法    50.1%

解体    49.9%



取得OS:複製コピー


OS効果:レイドボス討伐時に限り。パーティー及び、フォースメンバーが取得したアイテムを50%の確率で複製コピーできる。



HP  :80

MP  :60

STM :200


腕力 :200

知識 :60

器用さ:200

素早さ:200


メイン武器:竪琴【製作者:GM キョウ】

防具   :幽霊ローブ(染色済み):靴


ルナと、蒼夜達は、食い入るようにイクルのステータス画面を見る。


「後は推測が付くと思うが。


野良パーティーでレイド討伐に入りまくってOSオリジナルスキルで稼いだのさ。」


そして、キャッスルタイプ販売の最終日。


ミリアと知り合って、ゴールドを借りて。キャッスルを購入。


実は、その時に、ちょっとした事が起きたのだが。


それは、また、別の御話。


「で、そっちの人は?」


亜里亜が、イクルに聞くと。


「ん、軟派して来た?」


「軟派されて来た?」


「ノリが良いな!おい!」


イクルのボケに、ボケで返すルナ。突っ込むキョウ。


「で、本当のところはどうなんだ?」


ガイが尋ねると。


「ルナが、ウチに入りたいって言うから。面接に来てもらった。」


イクルがルナに視線を向けると。


「ルナです。職はバードテイマー。ギルドに入れて貰いたくて来ました。」


「えっと・・・・イクルさん?」


蒼夜が困惑の表情で声をかける。



「ん?」


どうしたの?と言わんばかりの表情で、イクルが蒼夜を見返す。


「ファントム・ナイツのギルマスの蒼夜と言います。初めましてルナさん。」


「初めまして。」


ルナは、蒼夜に挨拶して。イクルとガイを見る。



「意外でした?」


「ちょっとね。てっきり、イクルか、ガイさんが、ギルマスだと思ってた。」


蒼夜の言葉に、特に遠慮するでもなく言うルナ。



「あはは、僕も、その方が普通だと思うんですけどね。」


「で。どうかな?入れてくれる?」


蒼夜達5人を見ながらルナが言うと。



「どうして、ウチなんですか?ルナさんなら、他にも勧誘が来そうな気がしますが?」


パット見だが。ルナの装備は、蒼夜達から見れば、結構高そうな装備だと見て取れる。



「いやぁ、勧誘は有るんだけどね。ギルドの指針がうるさくてヤなの。」


「指針?」


「そう。やれ、レイドの時は参加しろとか。やれ、ドロップはギルドに入れろだの。や


れ、月に何度かのミーティングに出ろだの。とにかく、煩いのよ。」


ルナの言葉を聞いて、理解した蒼夜。


《この人も、自由人なんだ・・・》と。


「うちのギルドの方針は1つだけです。」


ルナとイクルたちの視線も蒼夜に集まる。


「お互いへの不干渉と、仲間での協力。これだけです。」


そう言って、蒼夜はイクルを見る。


イクルは、表情を綻ばせていた。


「随分と矛盾してるわね。」


「全然、矛盾していませんよ。」


「不干渉するなら、協力はないじゃない?」


蒼夜の言葉にルナが問いかける。


「不干渉は個人の優先。協力は、自分の都合と気分次第。どうです?」


「ふふふ。変わったギルドね。」


「なにせ、メンバーの半数以上が自由人フリーマンですから。」


ニッコリと笑いながら蒼夜が言うと、ルナも微笑んで返す。


「OK。その方針なら、私の時間の空いてる時で良いのなら協力しましょう。後は好きにして良いのよね?」


「はい。」


「では、改めて。ぜひ、ギルドに入れさせて下さい。」


そう言って、ルナがお辞儀をする。


「こちらこそ、宜しくお願いします。ルナさん。」


そう言って、蒼夜はギルド勧誘の申請をルナに飛ばす。


「ルナで良いわよ。ギルド仲間なんだから。


リアルでの年齢は関係ないわ。 在るのはネチケットだけ。でしょ?」


ルナは、申請の【ハイ】を押す。


「宜しくルナ。」


ルナの頭の上の表示に、ファントム・ナイツのギルドタグが表記される。

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