第81話
* 血塗られた峡谷 *
オーガ達の生息する峡谷。
血塗られた峡谷と呼ばれ。
細い枝道が幾重にも別れて出来上がった峡谷。
ここには、オーガ達が3~4匹の数で、部屋と呼ばれる行き止まりのスペースでPOPする。
イクル達は、2班に別れて狩りをする事にする。
イクルとティファ、ねぎトロの3人と。
シド、アルベルト、RXー78の3人。
パーティーで行動する時は、余りにもパーティーメンバー同士が離れると。
解体して、ドロップした時のアイテムの分配方式がランダムでも、他のメンバーに入らなくなる。
離れ過ぎない事が重要になる。
「それじゃ、俺達は、入口から2番目の部屋に行くから。」
イクルが言うと。
「了解。僕たちは、その上の部屋で狩るよ。」
シドも答える。
両方共、部屋の大きさは広い中部屋と呼ばれる部屋で。
広さは、30メートル前後の広さがある。
POPするオーガは、両部屋とも4匹が最大湧き数。
イクルが先頭で部屋の中に入る。
4匹のオーガが一斉にイクルにターゲットロックする。
イクル、ティファ、ねぎトロの順番で、時間差で
4匹中、3匹のターゲットがイクルから外れる。
ティファと、ねぎトロがタゲの外れた3匹のオーガに
ティファの
ねぎトロの
イクルはオーガから距離を取る様に、部屋の端を逃げながら
イクルを追うオーガ、ねぎトロを追うオーガのタゲが外れるが。
争っているオーガ同士のタゲも外れる。
すかさず、3人の
4匹のオーガは
「やっぱ、1発じゃ決まらないね。」
ねぎトロが言う。
「仕方がないよ。まだ、全員60前後でしょ?」
オーガ同士が争っている間にも、3人は
少しでもスキル値を伸ばすのが目的なのだから。
「だな、流石に2時間半で、70超えは無理だろう。」
俺の言葉に、5人が「うんうん。」と同意した。
「相変わらず、素材系はドロップしないなぁ。」
ねぎトロが倒したオーガの死体から、アイテムを漁りながら言う。
「亜人種が、素材を落としたら逆に怖いだろ?」
シドが笑いながら言うと。
「それもそうだね。」
ティファが同意。
「人骨とか、頭蓋骨とかなら、落としそうだけど・・・」
RXー78が言うと。
「「いらねぇぇx!!」」
「「欲しくない!!」」
などと、ワイワイ会話をしながら。オーガ狩りを楽しむ俺達。
確かに、素材は出ないけど。レアドロップの武器が出るのが大きい。
「お!ショボイけど。武器出た。」
どうやら、シド側の部屋で武器が出たらしい。
「「「オオオオォォォォォォ」」」
大袈裟に声を出して喜ぶメンバー達。
「えい!」
シドが声を出しながらドロップすると。
【RXー78さんが、鈍器を入手しました】
とメッセージが流れた。
「「「「「おめぇ~」」」」」
「ありぃ~」
こんな、他愛もない会話をしながらサクサクとオーガを倒し、スキル上げを行う事1時間半
峡谷の入口まで戻って、パーティーは解散した。
プレイヤー名:イクル
音楽センス:62.3%→70.2%
扇動 :59.8%→72.3%
平和 :61.8%→65.8%
魅了 : 20%→23.1%
解体 :40.8%→45.6%
魔法実技 : 40%→ 40%
HP :65→72
MP :33→40
STM:98→110
腕力 :58→63
知識 :28→36
素早さ:57→72
器用さ:63→80
皆と別れた後に、俺は1人その場に残り、
実に、
魔法を使うのに、触媒として秘薬を使うのだが。
秘薬を使った場合は、魔法が成功しても失敗しても秘薬は消費される。
ただし、
魔法職の【複写】スキルを持つプレイヤーが、
同じく、NPCから魔法のインクと羽ペンを購入して、自分の魔法を書き写すのだ。
書き写す際に、使用魔法と同じ秘薬を消費する。
この時は、成功しないと秘薬は消費されない。
魔法のインク、羽ペン、ブランクスクロールは、失敗しても消費される。
* * * * *
「で。 なんで、全員集合してるんだ?」
そう、イクルがルナに過去を話していると。いつの間にか部屋の中にはギルドメンバー全員が勢ぞろいしていた。
イクルも部屋の中に入ってくるのは見ていたが、ルナが真剣に話を聞いていたので。
話を止めるのも、何だと思って話を続けていたのだ。
「いやぁ~、懐かしいなぁ~とおもって・・・・・エヘ。」
亜里亜が可愛く言うが。
「鳥肌が・・・・」
「似合わないぞ。」
キョウと、ガイに突っ込まれる。
「今の話だと、亜里亜さんは出てきたけど。 キョウさんと、ガイは何を?」
蒼夜が2人を見ながら尋ねると。
「俺は伐採してた。」
ガイ。
「俺は穴掘りだったかな。」
キョウ。
「何で伐採?」
カナタが尋ねると。
「木こりのジョブスキルは、一番早く腕力とHPが上がるジョブだ。」
「そそ、それに、ガイが伐採した素材は、俺が大工で使うし。」
ガイと、キョウが答える。
いつの間にか、キョウが作ったのだろう。
部屋の中には、3人掛けのソファーが2つ増えている。
「それにしても、僅か4時間ほどでスキル値を70超えにするなんて・・・。」
ルナが呆れ返っている。
「
「因みに、私も複写だけは初日で72%まで上げたわよ。」
イクルの言葉に、亜里亜が続く。
「ジョブスキルの、マゾゾーンは80%を超えてからだしな。」
キョウが言うと。
「マゾゾーンって・・・確かに言えてるわね。」
と、ルナ。
ルナの言葉に、蒼夜達が自分のステータスウィンドウを開いて見る。
確かに、言われてみれば。
80%を超える直前からジョブスキルの上がり方が遅いのは実感してたが。
「特に、98%を超えてからの地獄ゾーンは辟易したわ。」
ステータスを見る蒼夜達にルナが言うと。
「あぁ・・・あれは地獄だったな・・・。」
ルナの言葉に、ガイ、キョウ、亜里亜、が揃って遠い目になる。
「3時間ぶっ続けでテイムして0.1%とか・・・・マジ嫌になりそうだったわ。」
「「「「「うわぁぁ・・・・」」」」」
蒼夜達の声が揃って聞こえる。
イクルだけは、笑いながら他の5人を見ているので。蒼夜が尋ねる。
「イクルさんは、苦にならなかったのですか?」
「俺?俺は平気だったよ。
なにせ、実益とスキル上げを兼ねての狩りなんだからね。
嫌になるどころか、楽しかったよ。」
笑いながら答えるイクル。
「まぁ、その辺りに関しては私も似たようなものでしたし。
最後は、自分でも判るくらいにムキになっちゃいましたけど。」
ミリアさんも苦笑を浮かべて話す。
「さて、それじゃ、皆んなが集まったから丁度いい。 ルナの事を・・・・」
「え!終わりなの?」
イクルの言葉に、ルナが被せて言ってくる。
「俺たちの話なんて聞いても、つまらないだろう?」
イクルの言葉に、本人以外の顔が左右に振られる。
「いや、ルナや、蒼夜君たちは、まだ分かるが。
なんで、お前たちまで?」
ガイ、キョウ、亜里亜を見ながら言うと。
「だってねぇ。」
と
「うむ。俺も知りたい。」
ガイ。
「だよな?途中経過は知らないもんな俺たちも。」
これはキョウ。
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