Folge.17:攻撃命令
クラウスは資料を持って立ち上がり、言った。
「現在、武装親衛隊は二手に分かれての任務にあたっています。」
「人員は問題ないのか?」
儂が聞くと、クラウスは持っている資料を一枚めくった。
「コード20に配当している人員は二千人超と大きく動かしているため円滑に戦略本部を活用できています。帝都監視部隊及び隊コードSS2には千人の動員で毎時間のように帝都と帝国政府の動きの情報が入ってきています。」
なるほどなるほど・・・・・・一応、帝国側の情報は掴めているんだな。
「帝国政府の現在の動きは?」
「我がドイツ第三帝国に正式に宣戦布告した後、隣国であり、旧帝国領でもあったアルタイル王国と事実上の軍事同盟を持っているメディウス共和国と三国同盟を結びました。既に最前線で少ないですがメディウス共和国兵らしき兵士との交戦記録があります。」
メディウス共和国。それはベルリンから遥か北東に位置する雪国である。この世界で大国であり、数々の戦乱をくぐり抜けてきた経験のある軍事大国でもある。つまり、下手をすると負ける可能性がある国の一つであるということだ。
―コンコンコン!
ドアをノックする音が会議室に響いた。
「Heil Hitler!ドイツ第三帝国ヴァルトグロース戦略戦線本部ドイツ第三帝国本国情報本部情報兵将校オッペンハイム・グルッペンです!緊急のご報告があります!」
緊急の報告?しかも焦っているように見える。
「入れ」
儂はどのような事なのかと思いながら入室の許可を出す。
「失礼します!戦略戦線本部より、ドイツ国時間今日18時28分アルタイル王国、メディウス共和国、セラリア教皇聖国より宣戦布告されました。それに伴い我がドイツ第三帝国はその宣戦布告を戦略戦線本部に与えられた外交権利を用いり受理しました。戦略戦線本部では既に到着した歩兵隊、空軍各隊、武装親衛隊で緊急編隊し、第一帝国最大の貿易都市を攻撃する許可を各総長に求める”緊急攻撃命令”を発表いたしました。」
まさか帝国の侯爵令嬢を一人撃ち殺しただけでこうなるとは・・・・・・アレと一緒ではないか。
「・・・・・・
クラウスは少し考え、言った。
その後、オットーが立ち上がらずに淡々と言った。
「陸海空軍の編隊と攻撃を許可する、以上だ。」
「総長命承りました。」
オッペンハイムは「失礼します」と言い、ハイル!と右手を挙げて退室した。
ヒトラーの背にデカデカと飾ってある第三帝国旗は窓からの光の差し加減なのか将又皆のドス黒い意思が反映されたのかは分からないが夕方の日に不気味に照らされていた。
ドイツ第三帝国異世界戦記 黒くて白色の赤いみかん @worldhistry
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