第14話午後は3人へのご褒美休憩とするか(1)
今やれる事はないし、ゲームで根詰めて作業する必要もねーか。仕事でもねぇんだからマッタリする時間があってもいいはず。
となると、俺に付き合って数日頑張ってくれた3人に買わなくて済んだ分のお金でご褒美出すのがいいか。
よし、メシ奢ろう!
プレイヤーの飲食店なら獣人だろうと、普通に受け入れてくれるはず! 可愛いからな!
そうと決まったら誘うぞ誘うぞ!
「なぁ、3人とも午後の予定ないなら下見がてら街の散歩に付き合ってくれね?」
「ん、構わね。ホーク1人で歩かせる方が危ねっから」
「アタチ達も問題ないでチュ」
「ワタチ達には無縁と思ってスルーしてたでチュからねー」
「よし、そうと決まったなら。リーダー、この3人と平民街を散歩してくるわ」
「空いてる時間に何しようと構わねーにゃよ」
「あざっす」
よし、出掛ける連絡もしたし行くぞ!
トラウマになるかと思ったあの窓のあった店へ!
あの奇抜…ゲフンゲフン、濃ゆいシェフ服の人はプレイヤーなはずだ。店の名前もプレイヤーっぽかったし違わんだろ。
俺たちはワイワイ騒ぎながら通用門を通り、目を付けてた店を見付けると3人を呼び止めた。
「お前らここ数日頑張ってくれたからさ、このお金でメシとスイーツ奢りてぇなと思って」
「い、いいのでチュか!?」
「ワタチ達とても嬉しいでチュけど、本当にいいのでチュの!?」
「んだなぁ、でも気持ち嬉しっから一緒に楽しむだや」
「ドルバの様に受け入れて楽しんでくれや。その方が僕も奢りがいがある」
「アタチ達だけで食べるの申し訳ないから、そのう…」
「家のみんなへのお土産もお願いしたいでチュ」
「それはもちろんだ。何個買えば全員が食べれるのか分からんが、100個あれば行き渡るよな?」
「「た、たぶん?」」
「これから忙しくする詫びのつもりもあるから、足りるといいんだけどな」
[んっまぁぁぁ! アタシの店に来るの!?
こーしちゃいられないわぁ! お迎えの準備しなくちゃ!]
[店にいた私は勝っち組ぃ! 予算に困ってるならおねーさんが奢っちゃう!ヾ(*´∀`*)ノ]
[あたしもあたしも!( *˙ω˙*)و グッ!]
[可愛い子供達の前で醜い争いにならないよう、皆でお金出し合いましょ?(`・ω・´)ノマテ (・ω・。)(・ω・。)]
[そうね、居合わせた者だけの平等な特権だわ]
あ、俺の出番ねーかも。奢るのはプレイヤーのオネーサマ達かぁ……。ファンサ的な事した方がいい、のか、なぁ?
「とりあえず入るぞー」
入る為に店の扉を開けると中はリアルのお洒落カフェと変わらないデザインになってる。インテリアセンスいいな!? おい!
「んっまぁぁ! 可愛いお客さん達いらっしゃーい!」
目の前には濃ゆいという言葉だけでは足りないシェフらしき人が目の前に立っていた。
3人は困惑し過ぎて声も出ないようだから、俺が動くしかねーか。
「僕ら4人が頼める軽食セットってある?」
「安心してねぇ? メニューにないけどアタシが特別に作ったげるからぁん」
バチコーン!って衝撃が来そうなウィンク付きで返事されたけど、悪い人ではなさそうだ。視界のインパクトが人外だけどな!
「あと軽食だけでなくスイーツと、お土産も買いたいんだ…これでお金足りるといいんだけど……」
リスナーが反応しやすいように見てすぐ分かるレベルのショボン顔でお金を見せる。
案の定、店にいた何人かの女性プレイヤーが立ち上がってアピールしていく。
「その軽食セットは私が奢るわよー!」
「ならスイーツセットはあたしの奢りね!」
「「「「「「「だったら、お土産は私達がそれぞれ奢るわ!」」」」」」」
「あらまぁ! アナタ達良かったじゃなぁい!
素直に奢られてなさいよ? ね?」
「お、おぅ…お願いしますぅ。奢ってくれてありがと……」
圧に負けた俺は負け犬でござる。
大人しくテーブル席にドナドナされて行く俺達は素直に座って、視線の集中攻撃を受ける。
視線はあくまで好意的なものであって、拒絶的なものでないだけマシなんだが、圧がなぁ……。
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