第30話とにかく研いで研いで研ぎまくるんだよぉおぉぉ!!

研ぎレベル11だし斬れ味+10まで研いでみっか。その間にまた研ぎレベル上がるだろうから、10になったらもう一度ステータス見てみよう。

ソードだからスキル経験値美味しいと思うんだよな。


……はっ!? 自然音BGMがハマり過ぎて没頭してたわ! 斬れ味は+10になったようだしステータスもう一度見てみっか!


「……お、おお…研ぎレベル17に上がっちまってるよ。

これはプレイヤーのアレか。上げやすいっつー成長速度の」


んじゃ、もういっちょ研いで斬れ味+15で全部やっとくか。アイツらもまだ一束終わってねーみたいだしな。

あの2人が終わる前にソードはちゃっちゃか終わらせておこう。


「師匠ー全部錆落とし出来たでチュー」

「ホーク師匠の言ったとおり、丁寧に研いだら途中からやりやすくなったでチュー」


……師匠? 師匠ぉ!?

え? 俺、師匠枠になったの? この外見で?

えぇぇぇぇえぇぇ………。どういう心境の変化よ、それ。マジ怖いわぁ。


「いつから僕は師匠なったんだ? 作業始まる前までは名前呼んでたよな?」


「研ぎが上手くなった気がしたんでチュ。アタチ達だけでは手を怪我するだけで終わってたでチュ」

「手を怪我する事なく上手く錆落とせるようになったんで、感謝も込めて師匠呼びでチュ。

実際、師匠から手ほどき受けたようなもんでチュからね!」


「なるほど…ま、いっか。好きなように呼べばいいさ」


「「はいでチュ!!」」


「それはいいとして、出来上がり見せてよ」


「どうぞ! アタチが1番上手く研げたと思ったナイフ見てでチュ!」

「わ、ワタチもでチュ! これ見て欲しいでチュ!」


「ふむ。お? 錆が綺麗に落とせてるだけじゃなく斬れ味も付いてんじゃん。

チルとチパを鑑定してもいいか? たぶん研ぎスキル芽生えてると思うんだわ」


「「にゃ、にゃんですとぉぉ!?

そ、そう言う事なら喜んででチュ! どーんと調べてでチュ!」」


すっごい勢いで身を乗り出して見てもらおうとするネズミ幼女ーズ。どんだけ成長に飢えてたんだよ。やっぱ怖ぁ。


「んーと、チルが研ぎレベル1でチパが研ぎレベル2だな。おめでと、見事手に職つけれたな!」


「やったよ! チパ! アタチ達これで稼ぎへの1歩進めれるでチュよ!」

「やったね! チル! これでもうワタチ達肩身狭い思いしなくていいでチュね!」


2人が歓喜のあまり抱き合ってる後ろからドルバがのそっと入ってくる。


「ん、2人ともおめでとだや。で、ホーク。これもう家に運んでもいいだ?」


「ああうん、ソードは全部研ぎ終わったから運んで大丈夫だよ」


「んだか。危なそうだから運ぶ為のコレ持って来ただ。縛れば5本まとめて運べるだや」


ドルバが見せたのは少し大きめの壊れた木の盾だった。これに積んで頭に乗っけて運ぶんだな!?

スタンダードな運び方だもんな! 獣人の!

これもいけるってのがすごいわ!


「拾いに行ったぁよりも運べる気ぃするの不思議だぁ」


もしやコイツもスキル芽生えてねーか? いっぺん鑑定してみっか。

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