水輦の中の幻想。人魚と、淡い夢と。

何処に出るのかは分からない、不思議な
禱りの屋台の噂。まるで人形の様な少女が
取り仕切るという、その『出し物』は。

薄暗がりから、生きたビスクドールが声を
掛ける。退廃的で美しく、何処か蠱惑的な
少女の口上が、輪舞曲の様に響く。

  耳を澄ませて聲がきこえたら。
 何かが見えたなら。

    救っておやりよ、哀れな者を。
 

可憐な少女が二人、その屋台を訪れる。
まるで誘蛾灯に呼び寄せられる蝶の様に。

人魚すくいの屋台の出し物
  景品は、人魚が入った『水輦』


  さて、どうなる事やら。

      続きは見ての御愉しみに。