第37話 ただの働き損?!


「おいおい、どこ行った?!」


「ちょっと、ちゃんと見ときなさいよ!」


いや、お前のせいなんだけど。

とはまたグチグチと喧嘩になりそうな為口には出さなかった。


都治巳杏里はモグモグと残りのハンバーグと半分ほど残ったライスを食い、会計コーナーへと足を進める。


良かった。

都治巳杏里の事だから、奢りね?とかなんとか言って、奢りを強要されるかと思った。


「終わったか?」


「えぇ。」


俺が外で待っていると、2.3分して都治巳杏里が出てきた。


「よし、まずは...どうする?!」


俺が焦る様に言うと、何故か都治巳杏里はドヤ顔でスマホを俺に見せてくる。


「何だ?」


「...。」


彼女の意図が分からず、俺は首を捻る。

何が言いたいのだろうか?


「えーと、どゆこと?」


「画面、見て?」


都治巳杏里の言う通り、画面を見てみると、その液晶の中には、Asukaという人物から「今、1回のフードコートに居ます。」というメッセージがきていた。


Asuka...おそらく清楚ギャルの事だろう。

てか、なんだこの名前のフォント。


「これ、加賀美さん?」


「正解!それじゃ、フードコートに行くわよ!」


え?てか、何でコイツ清楚ギャルの連絡先持ってんの?

俺、交換してないよ?


まぁ、別に...悲しくなんかないんだからね!


---------


「あっ、都治巳先輩!と、頼水先輩。」


え?何?

なんか俺の時だけ、声のトーンが下がった様な気がするんだけど...。

え?俺嫌われてる?


普通に泣きそうなんですけど...。


「ごめんなさい、勝手に居なくなっちゃって...。」


「大丈夫よ、全然。それで...2人共?ちゃんと話し合えたの?」


都治巳杏里は、清楚ギャルと、まさかのその隣にいる清楚ギャルの彼氏に話しかける。


何でコイツら2人でいるの?


「いやぁ...えっと、すみませんでした...。ちょっと色々と行き違いがありまして...。」


そこから、清楚ギャルの彼氏は長すぎる話の第一節目を話し出した。

話が長すぎて、要所要所しか話を聞いてはいなかったが、要するに、あの彼氏と一緒にいた友人とは、清楚ギャルの誕生日プレゼントを買うために、相談やらプレゼントを選んでもらっていた様で、決してやましい関係ではなかった。という事らしい。


彼氏クズ説を提唱していた俺からすれば、土下座ものの失態だが幸い、都治巳杏里にしか言っていない。


コイツは馬鹿だから、大丈夫だろう。


ん?ていうか、これ。

ただの働き損では?!

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