第11話 作業員



 真昼の太陽の下

工場の壁で出来た影

何人かの作業服の男たちがうずくまっている


 大きな水筒を横に置いて

段ボールの箱で作った床の上

風が通る森の中

ぽつんとある作業現場に

談笑する日に焼けた顔が見える


 大きなトラックのタイヤにもたれて座るのは

これから遠くへ配送に向かう運転手なのか

ただ地面を見つめて煙草の煙を吐いている


 若い男が初老の男を揶揄からかっているようで

楽しそうな笑顔で指差して話しかけている

初老の男も大声で抗っているのか

大きな口を開けて話している

ズボンの裾を上げながら

何やら細いテープを膝に巻こうと

サポーターをはめた肘が動いている


 大義そうに持ち上げた腰には

短い作業服の下

薄汚れた厚いコルセットが見えた

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