第24話 攻略の糸口
早速後輩の家にお邪魔した俺らは料理特訓(建前)を開始した。
「栖川さんの家綺麗だよね。居心地良いというか」
「そうです?自分も母もわりと綺麗好きだからってのもあるかもです」
「お、そうなんだ。日頃から掃除とかも?」
「ですね。自分わりと花嫁修業のつもりでしたり」
「自分磨きも含めてってことか。向上心あるなぁ。えらい」
「ふふ…先輩褒め上手ですね。そうやって色んな女の子落としてきたんです?」
なんとまぁ小悪魔笑い。
落ちる意味合いは違うが、合っているだけに何とも返しにくいね。
「墜としてきたのかなぁ。俺誰かと付き合ったこと無いからさ」
「え、意外です。夏先輩とお付き合いしてるのかなと」
「いやいや。あの人と付き合ったら(色んな意味で)搾り取られる…よ…」
ヤバい。先輩見てる。ニコニコしてる。
やっほー先輩!
「まぁ…男性なら色んな意味で良いんじゃないですか…知りませんが」
「ははは」
俺らは話しながらキッチンで下準備を済ませ、料理の勉強会を一通り行っていた。
「なるほどね。下味やっぱり大事なんだ」
「そうですね。自分は基本つけるようにしてます。無しでも素材感出るので良いですが、あった方が味がありますし」
邪な考えで来たものの、しっかり実用知識を教えてくれるためタメになる。
しばらくして後輩のそぼろチャーハンが出来上がった。
「うまっ…!これがチャーハンか!俺が作ってるのとは全然違う!」
「ふふふ。良かったです」
「いやほんと。レタスとカニカマも合うんだね。そぼろもタレが染み込んでてご飯進むし、ラー油のパンチも少しあって…こりゃ良い奥さんになるよ」
「そのためにやってるところもあったりしますから。それにしても食レポされると嬉しいです。美味しく食べてくれてるんだなぁと」
後輩がだんだん俺に打ち解けてくるのが分かる。
美味しそうに食べる人が好みはクリアしたか。
「さて。二人の邪魔しちゃ悪いし、そろそろ退散するよ。この後用事あってね」
「あ、夏先輩お帰りですか?」
「うん。安達君にレクチャーしてあげて。一緒に過ごしてみて変な人じゃないのは分かったでしょ?二人きりでやましいことするほどこの子肉食じゃないチキンだから安心だよ」
「あはは…夏先輩が言うなら」
チラッと二人で見るな見るな。
先輩は俺を押し倒したくせに!
「あー、まぁ。栖川さん彼氏いるだろうし、変なことしないよ」
「いやあの。自分彼氏いないです」
知ってるけどね。
「ふふ。ならまぁハメ外し過ぎないように若い二人で楽しんで」
そう言い残して先輩は家から去って行った。
このパスを受けるために後で俺は身体を先輩に差し出すことになっている。
体力持つかなぁ。
「よし。じゃあまぁ。片付けしておこか」
「で、ですね」
少しぎこちない栖川さんを見ながら俺はアタックする。
「なんだかこうして並んでると夫婦みたいだよね」
「え!んー…そうですね」
「俺さ。もし誰かと付き合うってなるなら結婚まで考えたいんだよね。重いかもだけど」
「あ!自分もです!せっかく付き合うなら最後までと思ってるので」
「あれ?一緒だね!いやー…何か考え合う人いないから嬉しいな」
「そうなんです?先輩の周り軽い人多いんですかね」
ふんすふんすと後輩は熱が入ってる様子。
結婚意識クリアかな。
「かもね。でも俺は少し重いくらいが好きだからさ。それこそ共依存とかいいなぁって」
「分かります!自分も依存しちゃうのと相手に依存されたいので…えーなんか先輩と凄い考え似てます」
「ね。俺ら相性良いのかも?」
少し照れながら後輩を見つめておく。
キメ顔だ。キメ顔。
「ですね…会ったばかりですけど、何だかフィーリングで良いような気がします」
後輩も俺を見つめてきて心なしか赤い。
一途、依存なところもクリアだ。
「分かる。俺も栖川さんともっと話したいなーって思ってるからさ。もし良ければ今度出かけない?料理勉強も兼ねてご飯とか」
「いいですね!自分も先輩ともっとお話したいのでぜひ!」
こうして俺達は健全に料理勉強会を終えて、デートの約束をした。
近いうちに栖川さんを堕とすぞ。
貴方のためのヤンデレガールズ タノウエ @tanoue4649
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。貴方のためのヤンデレガールズの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます