第88話 三神器の共鳴
その動きは
シャルの
「うそでしょ!? 全然効いてないじゃん!」
シャルの
「なっ!」
シャルの体が宙に巻き上げられる。小さな悲鳴と共に聞こえる骨の
「ぐうっ……!」
「シャルさん!」
リンが風を切って
氷を
(回復を……!)
視界の
だが、それは焼け石に水だった。
ガンダールヴァの
「
それは人間の声ではなく、まるで無数の
「くっ……このっ!」
リンの刀が光のように
白く変化した
しかし切断された
うねり、
それはもはや、人の力では
「この力こそ、神をも
その
しかし、
ダメージは消せても、
「ぐっ!」
次に、リンの体が
シャルもリンも
(ま、まずい……どうすれば……!)
「これで貴様を守るものはもうないぞ。無力な
体が
「くそっ……ミュウちゃん……!」
シャルの悲痛な
ゆっくりと、
――その時。
ガンダールヴァの胸部に
(あれは……)
神器自体が、ガンダールヴァの力に
(……そうか。そもそも、神器それ自体は
だとしたら、もしかして……!)
(物体回復
青白い光が神器を
すると
「なっ……何をする! 貴様っ!」
ガンダールヴァの体が大きく
まるで氷が
「そこだっ!」
リンが
「させるかッ!」
しかし、シャルの
「ナイスアシストって感じ?」
シャルの声に、
そうして、神器は解放された。
リンの手に赤割の
「グアアアアァッ――!」
ガンダールヴァの悲鳴が谷を
先ほどまで効いていなかった
その混乱の中、
「っ!?」
鏡は
その表面には、
(! まぶしっ――)
すると、
まるで呼応するように、
三神器が、運命に導かれたように共鳴を始めた――。
三神器の共鳴が、無明の谷を
まるでオーロラのような光の帯が、谷の
冷たい夜気が、不思議な温かみを帯び始めた。
「神、器、ヲ……返せえエッ!」
ガンダールヴァの
しかしその声は
その体からは異様な熱気が放たれ、周囲の空気が
集められた
青白い光の
その一本一本が、生き物のように
「見て! あいつの体が余計キモくなってくー!
シャルの声が
人の形を留めていた顔が
まるで深海の底から
「なんと
(……願い?)
(でも、今なら……なんとかできそうな気がする)
冷たい
鏡の中で、かすかな光が
「よくわかんないけど……
シャルの声に、
それぞれが持つ本来の力を、
「参ります!」
リンが赤割の
空気が
シャルが
そして
「はあっ!」
シャルの
その
青白い光が夜を
その
赤割の
「グオォォォッ!」
ガンダールヴァが苦痛の
その
解き放たれた
「今だよ、ミュウちゃん!」
「――
鏡が青い光を放ち、
その光は温かく、まるで
光の
「な、何をする……
ガンダールヴァの体が、養分を失った植物のように
しなびていく
三神器の力が交差し、最後の
シャルの
リンの
そして
「ぐあああああッ!」
耳鳴りがするほどの
……やがて
もはや
「よっしゃー! 勝った……っぽい!?」
「終わった……のですか……?」
リンの小さな問いかけに、
三神器の
無明の谷に、東の空から朝日が
光が
「ぐ、ぬ、う……おの、れ……」
ガンダールヴァは
「貴、様……」
……
回復
(……でも……本当にこの人の目的は、マーリンだけなのかな)
だってマーリンはもういないはずの人物だ。
そのためにわざわざあそこまでやるのだろうか。
「――
それは、夜明けの光のように
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